2023-10

2023・10・6(金)ギュレル・アイカル指揮イスタンブール国立交響楽団

      東京オペラシティ コンサートホール  7時

 文化庁主催、日本オーケストラ連盟主催の「アジア オーケストラ ウィーク」の一環。

 このオーケストラは2003年に来日し、小松一彦の指揮で演奏会を行なっているが、その際に聴いたかどうか、記憶が定かではない。
 ルーツを辿れば1827年に創立されたオーケストラとのことだが、組織的には1945年に設立されたイスタンブール市管弦楽団が1972年に現名称となった由(NAXOS掲載のプロフィールによる)。

 今回はギュレル・アイカルの指揮で、芥川也寸志の「弦楽のための三楽章《トリプティーク》」、ウルヴィ・ジェマル・エルキンの「ヴァイオリン協奏曲」(ソリストはチハト・アスキン)、チャイコフスキーの「交響曲第4番」というプログラム。
 他に、アスキンがソロ・ヴァイオリンで演奏したアンコールは、彼自らの編曲になるという日本の曲「さくら」。オーケストラのアンコールは、エルキンの「コチェクチェ」(と会場には掲示されていたが、他に「キョチェケ」と日本語表記している資料もある)。

 とにかく、恐ろしく変わった音色を出すオーケストラだ。どの曲の演奏においても、弦の響きは極度に硬く、しかも濃厚な脂ぎった色彩感に満たされている。芥川也寸志の作品が、聴き慣れた「日本の音楽」でなく、まるで中近東かどこか━━たとえばアルメニアの作品であるかのようにさえ聞こえたのは、その特殊な音色による演奏の所為だったのではなかろうか。

 アスキン編曲と演奏の「さくら」も、編曲そのものはかなり凝った手法だが、実にギラギラした、異様な音色と表情に満たされていた。

 チャイコフスキーの「第4交響曲」が、極めてごつごつした構築で、あまり他に例のない個所で音を切るなどというのはもちろん指揮者の解釈によるものだろうが、オーケストラの音色や表情などにも、何か形容し難い、濃厚で土俗的な━━とでも言ったらいいのだろうか、とにかく的確な表現が見つからないのだが━━あの賑やかなトルコ軍楽隊の演奏に聴かれる音色(リズムではない!)をつい連想してしまうようなイメージが備わっていたのではなかろうか(これは同楽団のCDからは伝わって来ない)。良し悪しの問題ではなく、お国柄といったものの面白さを感じさせてくれた今回の演奏だった。

 なお、アンコールでの「コチェクチェ」だか「キョチェケ」だかはともかく、いくつかの個所に、エネスクの「ルーマニア狂詩曲第1番」を連想させる曲想があったのが、作曲者がイスタンブール(旧コンスタンティノープル)出身であることを考え合わせると、興味深いことだった。

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