2023-10

2023・10・19(木)クロエ・デュフレーヌ指揮東京フィルハーモニー交響楽団

       サントリーホール  7時

 フランスの若い女性指揮者クロエ・デュフレーヌが客演、リリ・ブーランジェの「春の朝に」、サン=サーンスの「ヴァイオリン協奏曲第3番」(ソリストは中野りな)、ベルリオーズの「幻想交響曲」を指揮した。コンサートマスターは近藤薫。

 このデュフレーヌという指揮者、私は初めて聴いた。指揮の身振りは激しいけれども、身体の動きはしなやかであり、柔かくてふくらみのある音をオーケストラから引き出す。東京フィルもよく合わせているので、ブーランジェとサン=サーンスの作品はすこぶる快く感じられ、フランス音楽はやっぱりこういう音で聴きたいものだ、などと思ってしまったほどである。

 一方、「幻想交響曲」のような劇的な曲想の作品では、彼女は打楽器をかなり強く響かせるが、全体としてはあまり刺激的な音は出さない。
 概して音楽の「芯」というか、「重心」というか、そういったものをあまり感じさせず、むしろ流麗さが印象に残る演奏なので、ドイツ音楽などではどういう指揮をするのかわからないけれども、とにかく好感の持てる女性指揮者だったことは確かである。

 サン=サーンスのコンチェルトでは、2004年生まれの若い女性ヴァイオリニスト、中野りなのソロを聴くことができた。桐朋出身で、現在はウィーン市立芸大に在学の由。昨年の仙台コンクールで優勝を飾ったのは彼女である。
 実にスケールの大きな、伸びやかで朗々とした演奏をするのには感心した。これで音楽に微細な表情と、豊かな感情が伴って来れば、素晴らしい奏者になるだろう。アンコールには、バッハの「無伴奏ヴァイオリンのためのソナタ第2番」からの「アレグロ」を弾いた。

 今日は、この2人の女性音楽家に対するブラヴォー(ブラーヴァ)の声が実に盛んだった。

«  | HOME |  »

























Since Sep.13.2007
今日までの訪問者数

ブログ内検索

最近の記事

Category

プロフィール

リンク

News   

・雑誌「モーストリー・クラシック」に「東条碩夫の音楽巡礼記」
連載中