2023・11・7(火)ルイージ指揮コンセルトヘボウ管弦楽団(2)
サントリーホール 7時
ファビオ・ルイージとロイヤル・コンセルトヘボウ管弦楽団の今回の日本ツアーは、今日が最終日。
ウェーバーの「オベロン」序曲、リストの「ピアノ協奏曲第2番」(ソリストはイェフィム・ブロンフマン)、チャイコフスキーの「交響曲第5番」というプログラムが組まれていた。アンコール曲は、ブロンフマンがショパンの「夜想曲Op.27-2」、オーケストラは3日と同じチャイコフスキーの「エフゲニ・オネーギン」の「ポロネーズ」である。
コンセルトヘボウ管のチャイコフスキーの5番というと、私はいまだに昔のパウル・ファン・ケンペンが指揮して入れたモノーラル盤の、豪快無比な風格を持った演奏が忘れられないのだが、今日のルイージの指揮した「5番」は、思いがけなくそのダイナミックな豪壮さを思い出させるような演奏に感じられた。
アクセントが極めて強く、第2楽章で「運命の主題」が再現する個所での最強奏など、叩きつけられるように激しい。昔のルイージからは想像もできなかったような強靭な音楽だが、これはコンセルトヘボウ管の威力を尊重しての指揮だったのか?
とにかくオーケストラは巧い。ハイティンク時代ほどではないにしても、立派なオーケストラであることは間違いない。楽団の特徴を一言で言えば、「気品のある風格」とでも形容したらいいのか。
第2楽章冒頭で主題を吹いたホルンの1番奏者(女性)の柔らかく美しい音色が印象に残る。このホルンは、「オベロン」序曲冒頭でも、遠くから響いて来るような弱音の歌を聴かせていた。そしてルイージとコンセルトヘボウ管は、この序曲では妖精の音楽に相応しく、軽快な演奏を聴かせてくれたのであった。
ブロンフマンが弾く協奏曲は、実に落ち着いたリストである。こういうゆったりとした、殊更に騒ぎ立てない、品のいいリストは、久しぶりに聴いたような気がする。
客席の入りがいいのには安心。これだけ名門の外来オケが殺到しているのに、東京のお客さんは強い。
ファビオ・ルイージとロイヤル・コンセルトヘボウ管弦楽団の今回の日本ツアーは、今日が最終日。
ウェーバーの「オベロン」序曲、リストの「ピアノ協奏曲第2番」(ソリストはイェフィム・ブロンフマン)、チャイコフスキーの「交響曲第5番」というプログラムが組まれていた。アンコール曲は、ブロンフマンがショパンの「夜想曲Op.27-2」、オーケストラは3日と同じチャイコフスキーの「エフゲニ・オネーギン」の「ポロネーズ」である。
コンセルトヘボウ管のチャイコフスキーの5番というと、私はいまだに昔のパウル・ファン・ケンペンが指揮して入れたモノーラル盤の、豪快無比な風格を持った演奏が忘れられないのだが、今日のルイージの指揮した「5番」は、思いがけなくそのダイナミックな豪壮さを思い出させるような演奏に感じられた。
アクセントが極めて強く、第2楽章で「運命の主題」が再現する個所での最強奏など、叩きつけられるように激しい。昔のルイージからは想像もできなかったような強靭な音楽だが、これはコンセルトヘボウ管の威力を尊重しての指揮だったのか?
とにかくオーケストラは巧い。ハイティンク時代ほどではないにしても、立派なオーケストラであることは間違いない。楽団の特徴を一言で言えば、「気品のある風格」とでも形容したらいいのか。
第2楽章冒頭で主題を吹いたホルンの1番奏者(女性)の柔らかく美しい音色が印象に残る。このホルンは、「オベロン」序曲冒頭でも、遠くから響いて来るような弱音の歌を聴かせていた。そしてルイージとコンセルトヘボウ管は、この序曲では妖精の音楽に相応しく、軽快な演奏を聴かせてくれたのであった。
ブロンフマンが弾く協奏曲は、実に落ち着いたリストである。こういうゆったりとした、殊更に騒ぎ立てない、品のいいリストは、久しぶりに聴いたような気がする。
客席の入りがいいのには安心。これだけ名門の外来オケが殺到しているのに、東京のお客さんは強い。