2023-11

2023・11・22(水)ネルソンス指揮ゲヴァントハウス管弦楽団

        サントリーホール  7時

 ドイツの名門の大オーケストラを2つ続けて聴けるなど、普通ならヨーロッパのどこかの音楽祭でなければ不可能なことだろう。
 アンドリス・ネルソンスがカペルマイスターを務めるライプツィヒ・ゲヴァントハウス管弦楽団、これもベルリン・フィルに負けず劣らず、強靭で雄大で、しかも壮烈な演奏を聴かせてくれた。

 今日のプログラムはワーグナーの「トリスタンとイゾルデ」の「前奏曲と愛の死」、ブルックナーの「交響曲第9番」(ノーヴァク版)の2曲。因みに、今回の来日公演は東京で2回、札幌で1回の計3回のみだった。

 前回来日した時に演奏したブルックナーの「第5交響曲」(☞2019年5月30日)が、意外なことに金管群の咆哮を抑え気味にし、たっぷりとした弦楽器群の響きを前面に押し出したものだったので、もしや「9番」でもその手法を使うのかなとも思ったのだが、幸いにも(?)今回は管も弦も豪壮に響かせる、すこぶるスリリングな演奏になっていた。

 ただ、その豪壮な響きは、ちょっと度を越しているのではと思われるくらい、むしろ凶暴に近い域にまではみ出していたのではないだろうか? 
 第1楽章や第2楽章は、ブルックナーにしては珍しい、烈しい感情を爆発させる悪魔的な世界という性格の濃い音楽だから、そういう荒々しさは当然あってもいいと思うのだが、今日の演奏はアンサンブルを含めて、どうも激烈に過ぎていたような気もする。

 もっとも、以前出た彼らのCD(グラモフォンUCCG-1843~4)でもこれに近い演奏をしていたから、これがネルソンスの考える「9番」のイメージなのだろう。いずれにせよこの演奏で聴くゲヴァントハウス管弦楽団からは、もはやかつての「古都の雰囲気を伝える」ような陰翳の濃い音色は、聞かれたとしてもかなり微量なものになっているようである。

 「トリスタンとイゾルデ」の「前奏曲と愛の死」も、どちらかと言えば骨太で、ごつごつした音楽構築に感じられた。ただ正直なところ、今日は客席がやや騒々しく、私自身は気が散ってこの演奏にあまり深くのめりこめなかったので、あまり具体的なことは言えないのだが。

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