2023-12

2023・12・4(月)クリスチャン・ツィメルマン ピアノ・リサイタル

        サントリーホール  7時

 今年のクリスチャン・ツィメルマンのリサイタルは、11月4日の柏崎に始まり、12月16日の所沢まで、全10回にわたるものだという。例のごとく、すべて同じプログラムによるものだそうな。

 前半にショパンの「夜想曲」から作品9-2、15-2、55-2、62-2の4曲(「2」を揃えたわけでもあるまいに)と、「ソナタ第2番《葬送》」。後半にドビュッシーの「版画」と、シマノフスキの「ポーランド民謡の主題による変奏曲ロ短調」。アンコールがラフマニノフの「前奏曲ニ長調作品23-4」。
 ショパンの作品を入れたのは4年ぶりのことになるか。「版画」は、11年前のちょうど今日行なったリサイタルでも弾いているので、お気に入りの作品なのだろう。

 ショパンの「夜想曲集」が始まった瞬間から、その音色の透明清澄な美しさに魅了させられる。今回の楽器は良いようである。
 どの曲においても晴朗な音色と表情があふれているのだが、ただしその一方、陰翳といったものを全く排したような演奏でもある。それゆえ、何か不思議に単調なショパンに感じられてしまうのだが━━。もともと情緒的なものを抑制した彼の演奏スタイルのため、いっそうそのような印象が強くなってしまう。

 後半のドビュッシーは、そういった演奏によっても映えるという曲想を備えているので、あたかも清涼剤のような印象を与える。そして何と言っても圧巻は、シマノフスキの変奏曲だったであろう。この作曲家の壮大な叙情美はツィメルマンの演奏によって最高に生きると感じられたのは、これが初めてではない。

 ホールは満席(欠席によるものらしい空席は若干見られる)。こういうピアノの演奏会の時には、若い人たち、特に女性が多い。レセプショニストたちが「今日は写真撮影お断り」と盛んに注意しながら巡回していた。

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