2024-02

2024・2・3(土)山田和樹指揮読売日本交響楽団

       東京芸術劇場 コンサートホール  2時

 山田和樹は今シーズンで読響の首席指揮者を退任するので、今月の一連の演奏会が取りあえずその締め括りということになる。

 今日はその第1弾、2回にわたる「マチネーシリーズ」の初日で、グラズノフの「演奏会用ワルツ第1番」、ハイドンの「交響曲第104番《ロンドン》」、カプースチンの「サクソフォン協奏曲」(ソロは上野耕平)、ラヴェルの「ラ・ヴァルス」というプログラムを指揮した。コンサートマスターは日下紗矢子。

 ハイドンの「ロンドン」が、弦16型編成、木管が倍管(各4本)という大編成で演奏されたのは近来稀なる出来事であろう。マエストロご本人の言によれば、「最近ああいうのはだれもやってないから、ちょっとやってみようと思って」とのこと。
 ピリオド楽器スタイルの中編成での演奏が主流になっている今日では、それは確かに「反時代的」な演奏スタイルではあるのだが、だからといって何が何でも流行に合わせる必要はないのであって、このような「大編成によるハイドン」も成立する権利を充分に持つだろう。あとは好みの問題である。

 というわけで、私としてもこの「懐かしい」━━まるでトマス・ビーチャムあたりが指揮したレコードを聴くような━━響きを充分に楽しんだ。重いし、厚ぼったい音だけれども、不思議に鷹揚な、実に威風堂々たるハイドン像である。「久しぶりに聴く」のも悪くない、という感。

 さらに面白かったのは後半の2曲である。
 ウクライナ出身のニコライ・カプースチンによる「サクソフォン協奏曲」(2002年モスクワ初演)は、ジャズの手法を存分に取り入れたもので、ドラムスやギター、ベースギターも使用された曲だが、上野耕平の鮮やかなソロにリードされて闊達に響きわたるこの音楽の、何というリズミカルな快さ。

 そして「ラ・ヴァルス」。しばらくはやや遅めのテンポで重々しく演奏されながら、後半ではぐいぐいと勢いを増し、最後の熱狂的な頂点に達して行くあたりの、山田和樹の設計の巧さと、読響のエネルギッシュで表情豊かな演奏。

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