2024-02

2024・2・20(火)アカデミー「ホール音響 アコースティックな響きとは」

      リーデンローズ(福山芸術文化ホール)大ホール  7時

 篠崎史紀(vn)をリーダーに、倉富亮太(vn)、村松龍(va)、市寛也(cb)というN響メンバーからなる弦楽四重奏が、まず反響板を取り去ったステージで演奏し、そのあとに今度は反響板を設置したステージで演奏する。その音響のあまりの違いに、客席からは嘆声とどよめきが起こる。━━クラシック音楽の演奏ではホールの音響がいかに大切かということを実証してみせる面白い試みだ。
 これは「リーデンローズ・アカデミー」という一般公開のイヴェントで、開催したのは広島県の福山市にある福山芸術文化ホール、愛称「リーデンローズ大ホール」である。

 1994年に開館したこのホールは、あの世界に名の轟く豊田泰久が音響設計したもので、かねがねアコースティックがいいという評判を聞いてはいたが、今回実際にこのホールを訪れて聴いてみると、多目的ホールとは信じられぬほど音が良いのに驚嘆した。反響版なしの状態で演奏された音さえもが━━楽器の音が少し遠い感になるだけで━━美しい音色に聞こえる。

 もっともこれは、演奏者の腕がいいということもあっただろう。篠崎マロさんは、反響板がないと自分たちお互いの音はさっぱり聞こえないのだ、と聴衆に語っていたけれども・・・・。
 このイヴェントでは、豊田・篠崎の両氏がそういう音響の微妙な問題と、それに対応する演奏者側の立場などを、さまざまな角度から説明してくれた。そして弦楽四重奏団は、ドヴォルジャークの「アメリカ」全曲と、モーツァルトの「ディヴェルティメントK.136」の一部を演奏した。これはまた実にいい音の、いい演奏だった。

 そもそもこの「アカデミー」の本当の狙いは、新しく福山芸術文化財団の常務理事に就任した豊田氏と、リーデンローズ館長の作田忠司氏とが「この音のいいホールで大オーケストラを響かせよう」という企画を開始する、そのためのPRにあったようである。
 その企画とは、広島交響楽団と京都市交響楽団を、当面は年に3回ずつ招聘し、「定期演奏会」としてレギュラー化するものである由。

 具体的には、まずこの4月14日にアルミンク指揮広響で「皇帝協奏曲」と「アルプス交響曲」、6月23日に井上道義指揮京都市響でショスタコーヴィチ・プロ・・・・という具合に進めて行くのだという。たしかに、このリーデンローズの音響の良さを考えると、広響などはこちらのホールで聴いた方が、オーケストラの音色が映えるかもしれない。聴きに行ってみよう。

«  | HOME |  »

























Since Sep.13.2007
今日までの訪問者数

ブログ内検索

最近の記事

Category

プロフィール

リンク

News   

・雑誌「モーストリー・クラシック」に「東条碩夫の音楽巡礼記」
連載中