2024-03

2011・9・27(火)マーティン・ブラビンス指揮東京都交響楽団

  サントリーホール  7時

 プロコフィエフの「戦争と平和」序曲で開始された。珍しい曲をやるものだ。
 後半に置かれた彼の「第5交響曲」への巧みな伏線という意味合いもあったことは理解できる。短いが、いい曲である。
 一頃、このオペラに凝ったことを思い出す。あれはMETで観た、ゲルギエフとノセダがそれぞれ指揮した公演の時だった。しばらくはクトゥーゾフのアリアのフシが頭の中で鳴り続け、マンハッタンの夜景まで連想されるということもあったが・・・・。
 いい曲だが、残念ながら、演奏会の幕開きとしては、何となくあまり効果が上らない曲のようだ。

 2曲目は、チャイコフスキーの「ピアノ協奏曲第2番」。これもナマでは滅多に聴く機会がない。先日、誰だったか来日ピアニストのプログラムで予告されながら直前になって変更され、がっかりしたことがあったが・・・・。
 私はどちらかというと「1番」よりも、この単純素朴な「2番」の方が好きなのである。だから、この曲を上原彩子のソロで聴けるというのは大いなる期待だったし、それは裏切られなかった。

 彼女のストレートな推進力に満ちたソロと、ブラビンス&都響の張り切った良さが、この曲の持つエネルギー感を率直に浮かび上がらせる。第3楽章の二つ目の主題など、ピアニストによっては照れるのか、変な洒落っ気を効かせて弾く人もいるが、上原彩子はあくまで正面切って弾く。これでこそ、この楽章の「アレグロ・コン・フォーコ」が生きるというものだ。欲を言えば、ピアノの音色にもう少し色彩感があったら、というところだが。
 第2楽章でのヴァイオリン(矢部達哉)とチェロ(古川展生)のソロは、素晴らしい。
 今回は、もちろん長いオリジナル版の方。久しぶりでこの曲をナマで聴けて、愉しかった。

 最後は、プロコフィエフの「交響曲第5番」。マーティン・ブラビンスの指揮の本領が発揮されるのは、この曲においてである。
 これも衒いのない、きっちりとした指揮だ。隅々まで神経を行き届かせ、いかなる怒号の個所においても音楽の形を崩さずに、整然と構築する。最初の「戦争と平和」序曲での演奏と同じく、少し堅苦しいところもあって、プロコフィエフ特有のしなやかさや華麗さに不足する傾向なきにしもあらずだが、エネルギーは充分。都響もバランスのいい演奏だった。弦の柔らかい美しさも不変。

   音楽の友11月号演奏会評

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