2024-03

2012・3・4(日)ヤクブ・フルシャ指揮プラハ・フィルハーモニア管弦楽団

    横浜みなとみらいホール  2時

 チェコの若手ヤクブ・フルシャは、まだ31歳だが、実に良い指揮者だ。
 ナマのステージとしては、これまでに首席客演指揮者を務める東京都交響楽団との演奏を聴いただけだが、すっかりファンになってしまった。

 その彼が、今回はプラハ・フィルハーモニアを率いて来日。2008年秋からこのオーケストラの音楽監督・首席指揮者の地位にある。今日は来日2日目の公演。

 最初のモーツァルトの「ドン・ジョヴァンニ」序曲冒頭の一撃からして、切り込むような鋭さだ。胸のすくような、歯切れのいい響きである。こういう溌溂たるモーツァルトを聴くと、わくわくして来る。

 オーケストラは12型で、弦の音色が清澄透明で美しい。これまでのチェコのオーケストラの弦の音色といえば、しっとりした落ち着きを感じさせるものが多かったが、このプラハ・フィルハーモニアのそれはやはり「新時代」を象徴するというわけか、もっときりりと引き締まった趣を備えている。
 続くモーツァルトのホルン協奏曲「第1番」と「第3番」(ソロはラデク・バボラク)では、一歩下がって柔らかい控え目な音に転じたが、ここでの弦の美しさもまた絶品であった。

 休憩後は、ドヴォルジャークの「新世界交響曲」。
 これも、昔のチェコのオケなら、もって生れた独特のお国ものの香りを漂わせたものだったが、新時代のオケはそこまで甘くはないらしい。一昨日のスピノジ=新日本フィルのようなインターナショナル的な性格のものではないけれど、どちらかというと割り切った演奏のように感じられたのだが、如何に。

 むしろアンコールで演奏された、同じドヴォルジャークの「第8交響曲」の第3楽章に、夕暮れの田園風景のような懐かしさが滲み出ていた。
 なおアンコールはもう1曲、賑やか過ぎる(?)「スラヴ舞曲第1番」。低音域が薄く、高音域が勝って鋭く聞こえたのは、ホールの音響のせいか、こちらの席の位置(1階真ん中あたり)のせいか。

 協奏曲のソロを吹いたバボラクの巧さは、改めて言うまでもない。のびのびと完璧な、超人的な名技を繰り広げる。いくらでも、何曲でも吹けるといった雰囲気である。
 アンコールでは「狩の角笛の音楽」や「アルプス・ファンタジー」とかいう名の小品を吹いてくれたが、その鮮やかなこと! 日本語でのお礼の挨拶が何となくベランメエ調だったのも可笑しかった。
   音楽の友5月号 演奏会評

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