2024-03

2012・3・9(金)広上淳一指揮東京フィルの「黛敏郎作品」定期

   サントリーホール  7時

 黛敏郎の作品集。「トーンプレロマス55」(1955年作曲)、「饗宴」(53~54年作曲)、「BUGAKU」(62年作曲)、「涅槃交響曲」(58年作曲)が演奏された。

 それこそ滅多に聞けない意欲的な曲目の定期である。東京フィル事務局のF氏に「2度と聞けないようなプログラム」と言ったら、「2度とできないようなプログラム」と返された。たしかに、よくこういうものをやってくれたものだと思う。
 演奏も見事。オペラのピットに入った時の東京フィルに対しては私も随分毒づいているが、ステージでの定期の演奏に関しては、概ね賛辞を贈りたい(それにしても、演奏のそのギャップは何だ?)。

 「トーンプレロマス55」は、エドガー・ヴァレーズに触発された作品の由だが、なるほど打楽器の使用法など、あの「イオニゼーション」そっくり。1955年に黛は既にこういう傾向の既に書いていたのか・・・・と、今更ながら驚かされる。
 「饗宴」も「BUGAKU」も、前者はジャズの手法まで取り入れた「洋風」の、後者は「左方の舞と右方の舞」による「和風」の傾向を示すとも言えるが、いずれ劣らず、今聴いても極めて新鮮に感じられる。私もたしか60年代に放送か何かでそれらの曲を聞いたはずなのだが、しかし、やっぱりあの頃は・・・・。

 最も有名な「涅槃交響曲」は、かなり大きな編成の男声合唱(東京混声合唱団、さすがの実力!)と、2階客席の2箇所(LC席後方とRC席後方)に配置されたバンダ(かたや高音、かたや低音主体)の演奏も加わっての、非常に大がかりな作品だ。
 サントリーホールの音響の良さもあって、大伽藍に木魂する梵鐘の如く、巨大な重量感あふれる音が轟々と続くさまは壮烈である。
 これも久しぶりに聴くと実に新鮮ではあるが、しかし延々と同じ音が続くのだなあ、と昔N響の演奏などを聴きながら仲間たちと文句を言い合っていたことを、今日も聴いているうちに突然思い出してしまった。

 しかしともあれ、これは素晴らしい体験。このような、往年の邦人の作曲家の優れた作品がもっとしばしば演奏される音楽界でありたいものである。

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両日聴きました

3/8(オペラシティ)、3/9(サントリー)両日聴きました。
オペラシティは会場の関係なのか別働隊(低音群、高音群)
はオケの後ろに設置していました。サントリーは指示通り
客席に設置。体全体を音が包み込む感じは当然サントリー
の配置でないと味わえません。演奏も2日目の方がこなれ
ていた感じを受けています。こんな難曲ですから仕方がない
でしょうね。
客席にヤコブ・フルシャに似た人がいました。終演後、楽屋
に挨拶に向かった様子です。是非、チェコでも演奏される事
を期待します。
録音していた様子なので是非ともCDで出して欲しいと思い
ます。聞き逃した人が気の毒でなりません。ロームの助成金
で演奏した様子なので、CD化も助成して欲しいですね。
NAXOSで世界中に売り出すのは無理でしょうか?

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