2024-03

2012・5・10(木)下野竜也指揮読売日本交響楽団
ドヴォルジャーク交響曲シリーズ完結篇

    サントリーホール  7時

 前半は、ドヴォルジャークの面倒をよく見たブラームスの作品から、「ヴァイオリン協奏曲」。
 ソリストのクリストフ・バラーティという青年はハンガリー出身だが、演奏はきわめて正面切った、手堅いものであった。

 アンコールで弾いたエルンストの「シューベルトの《魔王》による大奇想曲」も、全く形を崩さぬしっかりした構築の演奏だったが、その中にも父親・魔王・子供の表情をはっきり描き分けるという、なかなか芸の細かいところをも披露していた。興味深いヴァイオリニストである。

 後半が、ドヴォルジャークの「第2交響曲変ロ長調作品4」。
 下野=読響のドヴォルジャーク交響曲シリーズ(全9曲)がこれで完結。お疲れ様でした・・・・と同時に、珍しい曲も聴かせてくれて、感謝したい。何せ日本では、この作曲家の「1番」から「6番」までの交響曲は、ほとんど演奏されることがないのだから。

 しかし、この若書きの「第2番」、これまで何人かの指揮者のレコードを聴いたが、面白いと感じたことはかつて一度もなかった。何が何だか解らない曲、というのが正直なところだったのである。
 今日の下野=読響の演奏を聴いて、その印象も少し変わった。やはりナマで聴くと、音楽のつくりや、主題の動きなどが明確に理解できるというものだ。

 もっとも、楽屋でマエストロ下野から話を聞くと、「ある程度いじらないと、ごちゃごちゃのまま聞こえてしまう曲だから」だそうで、――つまり、声部のバランスなどにかなり匙加減が必要だということなのだろう。
 たしかに今日の演奏は、その点、実に巧くまとめられていた。第2楽章では、美しい個所も際立っていた。特にフィナーレのコーダで、アレグロ・コン・フォーコからみるみるテンポを速めてヴィヴァーチェへ盛り上がり、それが頂点に達して終結するまでの個所など、下野という人は本当に手際が良く、設計が巧いな、と感心させられる。読響の演奏もいい。

 おかげでこの「2番」、悪くない曲だと思った。――さりとて、これから何度も聞いてみようと思うまでにはならなかったが・・・・。

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