2024-03

2012・5・13(日)アレクサンドル・ラザレフ指揮日本フィルの「悲愴」と「ライモンダ」

   杉並公会堂(荻窪)  3時

 東銀座から荻窪までは、地下鉄とJR中央快速(四谷から)を利用すれば30分強で行ける。杉並公会堂は荻窪駅西口から徒歩10分ほど、そう大きなホールではないが、音響効果はなかなか良い。

 今日は珍しくもラザレフがプレトークを行ない、「チャイコフスキーがもっと長生きしていたら、ストラヴィンスキーらの新しい傾向の音楽の形成にも重要な関わりを果たしたことだろう」などの見解を披露した。

 プログラムは、グラズノフのバレエ音楽「ライモンダ」の抜粋(45分ほど)と、チャイコフスキーの「悲愴交響曲」。
 「ライモンダ」の音楽など、アンコールで演奏される何曲かを除いては滅多にナマで聴ける作品ではないが、色彩的な響きをオーケストラから引き出すのに長けたラザレフの指揮で聴けば、結構愉しめる曲である。

 だがラザレフと日本フィルの良さが発揮されたのは、やはり「悲愴」であった。
 何より、オーケストラの音色が明晰になっているのが好い。量感のある響きの中にも、各声部の動きがはっきりと聞き取れる。これは、日本フィルとしては、ラザレフ着任以前にはおそらく、90年代の広上淳一の指揮で聴けて以来のものだろう。
 今回は管楽器群――特に金管楽器群を浮き立たせて特別な効果を生み出させたラザレフの設計が面白かった。ただ、その金管が今一つ緻密だったら、ということもあったが。

 激しい動きの第3楽章をむしろ抑制気味にして、その他の3つの緩徐楽章――第1楽章にも緩徐部分は多い――を緻密な構築で際立たせた解釈にも、納得が行く。
 そういえばラザレフはプレ・トークで、「中間2楽章は、両端楽章に対しての間奏曲ともいうべき存在である」(つまり頂点は第1楽章と第4楽章にある)と語っていたのである。興味深い見解だ。

 第1楽章序奏のアダージョの終りからアレグロの第1主題にかけてのヴィオラの音色には、以前の日本フィルにはなかったような艶と色彩があふれていた。ここにも、最近のこのオケの昂揚が感じ取れるだろう。

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