2024-03

2012・5・26(土)ユベール・スダーン指揮東京交響楽団 マーラー「大地の歌」他

   サントリーホール  6時

 前半にはモーツァルトの「ハフナー交響曲」が演奏されたが、スダーンも昔とは随分変わって来たな、という感。

 90年代に彼は東響を指揮してモーツァルトの交響曲を盛んに取り上げていたが、その頃のかっちりと仕上げられた歯切れのいい演奏に比べると、今回のは、すっと肩の力を抜いた、柔らかい豊麗なスタイルの「ハフナー」になっている。デュナーミクの綿密な設定はいつもながらだが、それを除けば、「これがスダーンのモーツァルト?」と訝りたくなるほどだ。プログラム後半に置かれているマーラーへの先導としたわけでもないだろうが、些か意外ではあった。
 ただ、この演奏は、以前のそれに比べ、余裕感においては勝るが、緊張感においては一歩を譲るだろう。

 一方マーラーの「大地の歌」は、スダーンがモーツァルトやブルックナーにおいてだけでなく、マーラーの作品においても卓越した解釈を示す指揮者であることを如実に証明した演奏であった。
 それは如何にもスダーンらしく、がっしりと強固に構築された、均衡の豊かな演奏である。オーケストラの響きも明晰で、第1楽章など、これほど各声部が混濁せずに聴き取れたのは珍しい。

 第6楽章(告別)では、抑制したテンポによる、深淵を思わせるような重々しい暗さも印象的であったが、最後の「春が廻り来ればまた花が咲き、緑が萌え出ることもあろう」の個所をはじめ、スダーンの指揮には常にある種の節度のようなものがあって、過度の感情にのめりこむことはない。これが演奏に良い意味での重心と均衡を生み出している。

 それにしても、この「告別」楽章での、オーケストラの精緻さ、スケールの大きさ、緊迫感、それに美しさは、出色のものであった。これは、スダーンの指揮によることももちろんだが、それとともに東京交響楽団の総力を挙げた演奏のたまものでもある。フルートとオーボエの各1番奏者も素晴らしい。ホームグラウンドのホール(ミューザ川崎)が使えないという苦境にありながらも、このオーケストラがなお快調さを維持しているのは、嬉しいことである。

 「大地の歌」のソリストは、ビルギット・レンメルト(Ms)とイシュトヴァーン・コヴァーチハージ(T)。
 おなじみの名歌手レンメルトは、「告別」では流石に深みを示した。テノールはもちろん頑張っていたが、この曲は、そもそもテノールに損な役回りを強いる管弦楽編成である・・・・。

コメント

<<管弦楽の精緻さ、スケールの大きさ、緊迫感、それに美しさは、出色のものであった。>>そう、思います。都響の「大地の歌」と違って、普段から慣れてしまっている洗練さとは違い、<混在した音色>に成り立った明晰さがあって、面白かったです。
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けど、すみません。この前の5月11日の指揮者の演奏と違って、どこか冷めていて。
音楽監督に申し訳ないけど。
2012年の前半の行ったコンサート全ての一番になっていて。また、そうなるでしょう。自分のツボにはまっていて。。5月11日の初台の演奏が。。。。。。サイト管理者の方にはすみません。

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とにもかくにも、いろんな多様な人材が聞けるオーケストラであることが好き。女性指揮者陣も多いし。門戸開放路線かなって?少々以上偏見アリとは思いつつ。非常に良い意味での。。

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 スダーンが、テノール歌手に後ろから、手をあてて「いやー。よくがんばった。ありがとう。感謝するよ。。」式のさりげない気配りがもっと、良かった。Pブロックから観ているから。。
 
 あと、二人で一台の譜面台だから、自分の音楽をうたうときの譜面台の角度が違うから、面白い。結局、レンメルトは観なおすチェックはおさらいするチャンスがないが。テノール歌手は、おさらいする機会がある。
 だから、後ろから手を伸ばして感謝ができるのかなって。

*******憶測であっても、とても良い演奏でした。**********




2週連続でスダーン&東響聴きに上京しました。
あれだけ精緻な演奏をするためには想像を絶する厳しい練習が行われているのでしょうね。
一度でいいから九響に客演して(たしか以前予定されていたが体調不良でキャンセルになった)鍛えてほしいです。

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