2024-03

2012・5・30(水)クリスティアン・テツラフ・ヴァイオリン・リサイタル

    トッパンホール  7時

 2日続きのコンチェルトの翌日にリサイタルとは、タフな人である。

 プログラムは、シマノフスキの「神話」、イザイの「無伴奏ヴァイオリン・ソナタ第1番」、パガニーニの「24の奇想曲」から4曲、クルタークの「サイン、ゲーム、メッセージ」から6曲、エネスクの「ヴァイオリン・ソナタ第2番」。
 シマノフスキとエネスクの作品では、ピアノの児玉桃が協演した。アンコールもデュオで、ドヴォルジャークの「ソナチネ」から「フィナーレ」、次いで「ラルゲット」が演奏された。

 児玉桃の良さは言うまでもないが、この日は何よりもテツラフがその多彩な本領を余す所なく発揮するべくプログラミングされたコンサートと言っていいだろう。
 このヴァイオリニストは、やはりナマで聴いた方が、自由奔放なエネルギーと感性が噴出して、とてつもなくスリリングで面白い。たとえ昨日のメンコンでのような、本人も舞台上で苦笑するような珍事があったとしても、である(NHK-FMの放送では、あそこは多分編集されるだろう・・・・私だったら、そうする)。

 甘美な官能の音色から精神の暗部まで抉り出すような激烈な表現まで、ヴァイオリンの持つあらゆる力を使い切るような演奏の「神話」に始まり、懐かしい曲想をも挑戦的なイメージに変えてしまう「ソナチネ」にいたる2時間は、それこそ息もつかせぬほどの緊迫感にあふれる。

 その中に、イザイのソナタとエネスクのソナタが毅然と屹立するのが圧巻だ。そして、普通ならひときわ華麗に聞こえるはずのパガニーニの「カプリッチョ」さえもが、テツラフの強靭なテクニックによる演奏では、ごく当たり前の作品のように聞こえてしまうのである・・・・。

 これも、本当に実演ならではの醍醐味だ。

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