2024-03

2012・6・15(金)ミハイル・プレトニョフ指揮ロシア・ナショナル管弦楽団

   東京オペラシティコンサートホール  7時

 グラズノフの組曲「中世より」から4曲、樫本大進のソロでベートーヴェンの「ロマンス第2番」とチャイコフスキーの「憂鬱なセレナーデ」「ワルツ・スケルツォ」「メロディ(「懐かしい土地の思い出」より)」、「白鳥の湖」抜粋――という、ちょっと変ったプログラムが興味を惹く。

 今夜、このホールの2階正面上手側の席で聴いたこのオーケストラの音は、総体的にかなり重々しく感じられた。以前はもっと引き締まった、いかにもニュー・ロシアのイメージを思わせる、洗練された颯爽たるサウンドを誇っていたプレトニョフとロシア・ナショナル管だったのに・・・・プレトニョフ自身も変貌していることは明らかだ。

 それに、最弱音では陰翳豊かでふくよかな美しさを聴かせる(これは、昔より良くなった)が、最強奏になると、天地鳴動、そのかみのコンスタンチン・イワノフもかくやの荒っぽい音を出す。
 不思議なほどの両極端だが、思い出してみると、プレトニョフの演奏には、ピアノにせよ指揮にせよ、これまでにもそういう双極性が時々聞かれたような気がする。

 グラズノフの作品が暗い音調の裡に終って、ゲスト・ソリストの樫本大進を加えた数曲が明るい叙情を聞かせてくれるかと思いきや、「ロマンス」が「グラーヴェ」と言った方がいいほどの遅いテンポと沈潜した情感で演奏され、次いで「憂鬱なセレナーデ」が「沈鬱なセレナーデ」になって演奏され、気分的に落ち込む。
 しかし、この4曲での樫本も、オケも、演奏は極めて美しい。

 「白鳥の湖」の音楽を演奏会で聴く機会は、最近では滅多にないだろう。
 今回は、プレトニョフが選んだ12曲、「導入曲」から最後の「嵐」とフィナーレまで、ほぼ幕順に沿って40分間、独自の組曲としてまとめられていた。さすが個性派の彼の構成だけあって、一般に知られる「組曲」にある「ワルツ」も「チャールダシュ」も「4羽の白鳥の踊り」も出て来ない。
 ハープの華麗なソロなどは愉しく聴けたが、最後のダイナミックなクライマックスは、ホールも崩れ落ちんばかりの打楽器群の怒号で、こういう力任せの荒っぽい演奏は、私は苦手だ。
 アンコールでの「眠りの森の美女」の「ワルツ」が、漸く中庸を得た演奏に。

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