2024-02

2012・6・17(日)サントリーホール チェンバーミュージック・ガーデン フィナーレ

    サントリーホール ブルーローズ  1時30分

 ヘンシェル・クァルテットのツィクルス(昨日まで)をはじめ、6月2日からさまざまな室内楽の演奏会が開催されて来た「サントリーホール チェンバーミュージック・ガーデン」、今日は最終日とあって、3時間近くに及ぶプログラムが組まれた。

 前半はサントリーホール室内楽アカデミーのメンバーを中心に、デュオ・リノスによるベートーヴェンの「スプリング・ソナタ」と、モーツァルトの「ピアノ協奏曲第14番K.449」が演奏される。
 後者での「CMGアンサンブル」なるオーケストラは、今日は弦楽器のみの編成だった(オーボエとホルンは無くてもいいという作曲者の指定になっている)が、クァルテット・エクセルシオのメンバーが参加しているにもかかわらず、単に譜面をなぞっているような平板な演奏に終始。いっそ管楽器が参加していれば、もう少し表情のある演奏になったのかなあ、と、不満を募らせながら聞いていた。
 ピアノのソロと指揮は、若林顕。

 演奏会にプロフェッショナルな充実感が出て来たのは、漸く後半になってからである。
 まずブラームスの「弦楽六重奏曲第1番」が、ヘンシェル・クァルテットに、ヴィオラの吉田有紀子(クァルテット・エクセルシオ)およびチェロの堤剛が加わって演奏されたが、この日本勢2人が「おいしい」パートを受け持っていたこともあり、面白さが倍増する。

 この曲の第2楽章は、私の世代だと、どうしてもあのルイ・マル監督の映画「恋人たち」の愛の場面に延々と流れ続けていたこの曲の陶酔的な呪縛から、未だに逃れられないものがある。今日は演奏が良かったこともあって、充分にそういった感情に浸らせてもらった次第。
 なお今日は、このクァルテットは、クリストフ・ヘンシェルに替わってダニエル・ベルが第1ヴァイオリンを受け持っていた。

 最後のプログラムは、ヘンシェル・クァルテットとクァルテット・エクセルシオが一緒に演奏するメンデルスゾーンの「弦楽八重奏曲」。
 開始前に、チェロ2人が先にステージに座り、他のメンバー6人がボッケリーニの「マドリードの帰営」を演奏しながら客席を行進して来るという洒落た趣向で聴衆を愉しませる。

 かくて大拍手の裡に始まった「弦楽八重奏曲」では、同じくダニエル・ベルがリーダーをつとめて鮮やかな演奏を繰り広げた。ほとんどコンチェルトのソロといった力量を要求されるこの曲の第1ヴァイオリンのパートだから、ヘンシェルよりも彼の方が安定感において勝ると言えるかもしれない。
 西野ゆかをリーダーとするクァルテット・エクセルシオも、ヘンシェル・クァルテットに一歩も譲らず、いい演奏をした。ソリスト同士が集まっての演奏だと、必ず「オレがオレが」と言わんばかりの熱戦になるこの曲だが(それはそれで痛快だが)、今日はさすがにクァルテット同士、アイ・コンタクトで心を通わせた室内楽としての、まとまりの良い演奏が成立していたのであった。

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