2024-03

2012・6・20(水)エド・デ・ワールト指揮ロイヤル・フランダース・フィルハーモニー

    すみだトリフォニーホール  7時

 ベルギーはフランダースのアントワープに本拠を置くオーケストラ、昨秋から首席指揮者に就任しているエド・デ・ワールトに率いられて来日。エルガーの「チェロ協奏曲」とマーラーの第1交響曲「巨人」をプログラムに乗せた。

 エド・デ・ワールト(1941年生)は、どちらかというと地味な存在の名指揮者だが、私は好きなタイプだ。特にマーラーは、以前オランダ放送フィルを指揮した全集のCDが絶品で、誠実で人間味に溢れ、しかも強靭な力を備えた演奏だったと記憶している。

 予想通り、今日の「巨人」は良かった。これほど自然な起伏と感興をたたえ、しかも味のある「巨人」の演奏は、滅多に聴けるものではあるまい。
 第1楽章最後の頂点に盛り上がる個所における音楽の自然な流れは快いものだったし、第2楽章での主題の流れの良さにも舌を巻くばかり。第3楽章のあのカノン風の民謡調の主題が、これほど瑞々しくて好いフシだと思えたのは今日が初めてである・・・・。第4楽章における激烈なダイナミックスの対比さえも、大波のごとく自然な起伏を以って構成されているのが面白い。

 こういう、躁鬱症的でないマーラー像、という解釈も面白い。何かホッとする気分に誘われるような演奏である。大見得切った刺激的な演奏ではないので、あまり話題にならないタイプかもしれないが・・・・。

 オーケストラも、強大なホルン群をはじめ、すこぶる力がある。以前ヘレヴェッヘと来日してブルックナーを聴かせた時とは、当然ながらまったく別の顔を示している。

 エルガーの方は、英国の中堅ポール・ワトキンスが来てソロを弾いた(この人は指揮者としても活動、4年ほど前に東京都響を指揮しに来たとのことだが、私は聴いていなかった)。よく響く明晰な、ふくらみと張りのある音を聴かせるチェロだ。デ・ワールトとフランダース・フィルの優しい演奏とともに、たっぷりと「エルガーの情感」を溢れさせてくれた。

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