2024-03

2012・6・24(日)下野竜也指揮読売日本交響楽団~コリリアーノとHKグルーバー~

    横浜みなとみらいホール  2時

 夏風邪にやられたらしく、昨日は悪寒が酷くて「小山実稚恵リサイタル」と「林美智子の90分のコジ」の2本を、棒に振った。残念だ。
 今日も具合は良くなかったのだが、少し持ち直したので、強引に出かけてみる。たしかに、聴いている間は身体の調子のことなど忘れていたし、帰宅して熱を計ってみたら、出かける前より下がっていた。音楽療法、まずは成功か。

 「療法」にふさわしいかどうかは怪しいけれども、プログラムは珍しい。ジョン・コリリアーノの「音楽に寄せて」とヴァイオリン協奏曲「レッド・ヴァイオリン」(いずれも日本初演)、HK(ハインツ・カール)グルーバーの「フランケンシュタイン!!」の3曲。・・・・「名曲シリーズ」には、少し酷か? 
 本番前には、この演奏会のため来日したというコリリアーノ自身が、かなり詳細な作品解説を行なった。

 「音楽に寄せて」は、シューベルトの同名の歌曲に因む小品(6分程度)で、私にはさほど興味を惹かれる曲でもなかったが、「レッド・ヴァイオリン」の方は、なかなかに多彩で、愉しく感じられた。
 元となっている映画は、楽器製作者が妻の遺体の血を塗料に混ぜて赤い色に染めたヴァイオリンが300年にわたって数奇な運命を辿るとかいう物語だったか? その後ヴァイオリン協奏曲に仕上げられたこの版は、もちろん私は今回初めてナマで聴くものである。

 ソロ・ヴァイオリンの超絶的技巧、管弦楽が繰り広げる千変万化の音色、ソロとテュッティの壮烈な(協奏というより)競奏・応酬・激闘ともいうべきやり取りなど、実に華麗な曲だ。
 40分近いこの長大な作品を、ソリストのララ・セント・ジョンという女性が、極めて激しく情熱的に弾く。この人、写真とはだいぶ違うイメージだが、舞台で弾く姿はきっぷのいいオバサンという感じで、迫力もあるし、威勢がいい。
 下野と読響が、ここでも全曲を巧く構築した。客席で聴いていた作曲者も、これなら満足しただろう。

 後半の「フランケンシュタイン!!」は、「シャンソニエ」という役割を持った宮本益光の、洒落っ気たっぷり、ナレーションとも歌ともつかぬ語り(英語、字幕あり)を交えた30分ほどの作品だ。
 内容は、あの「フランケンシュタイン」の物語とは直接の関係はなく、さまざまなエピソードを織り込んだ一種の詩集みたいなものである。

 それにしても、宮本益光は、本当に多芸多才な人である! 演劇俳優というか、音楽噺家というか。お見事。
 管弦楽パートにはさほどの新味は感じられないけれども、楽員たちは、プラスチックホースを振り回したり、十字架を掲げたり、ハモったりと、これまたいろいろお芝居を見せる。

 下野の事前の解説によれば、この「フランケンシュタイン!!」のスコアには、「演奏者はいかなることがあっても笑い顔を見せてはならぬ」という但し書きがついているとのこと。
 本番では、下野と宮本が、物凄い顔をして、物々しい足取りで舞台中央に進み出た・・・・。
 

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