2024-03

2012・10・6(土)「オール・アバウト・ハインツ・ホリガー」第1日・協奏曲&指揮

   トリフォニーホール  3時

 オーボエの名手にして指揮者・作曲家というさまざまな顔を併せ備えるハインツ・ホリガーは、今回の来日では東京、横浜、水戸などで彼の幅広い芸域を披露する。
 今日はその初日。新日本フィルとの協演で、最初にモーツァルトの「オーボエ協奏曲」を吹き振りし、そのあとシューマンの「第2交響曲」、自作の「音のかけら(トーンシェルヘン)」、ラヴェルの「ラ・ヴァルス」を指揮するというコンサート。

 ホリガーはたしか70歳を出ているだろう。明るい鋭角的な音色で、強大な音量で、直截な速いテンポで、一気に吹きまくる。吹き終わった瞬間には元気よく腕を振ってオーケストラをリードする。エネルギッシュなステージだ。

 彼の演奏を聴きながら、昔イタリアの名フルート奏者セヴェリーノ・ガッゼローニ(特に現代音楽の演奏では当時世界一と言われていた)が晩年に日本でやった演奏会を思い出した。それは本当に表情の多彩なソロだった。テンポやリズムが時々グラリと崩れそうになるけれども、その寸前にパッと立ち直ってがっしりと構えてみせるという軽業的な演奏であった。
 その頃は何も知らなかった私は、ただ「上手いのだか下手なのだか解らないけど、何だか凄い」と呆気に取られて聴いていたものである(※この演奏については故・吉田秀和氏が実に味のある指摘をしておられる)。

 今回のホリガーのソロにも、その「グラリ」に似たようなところもなくはない。だがもちろん、ホリガーの方は、すべてにおいて鮮やかだ。しかも強引なほどの音楽的な力があって、聴き手の注意力を一瞬たりとも弛緩させずに引っ張って行くというタイプかとも思う。第2楽章など、強い音色の中に何とも言えぬ甘美な風情があり、本当に味のあるオーボエとはこういうものなのだ、という陶酔に引き込まれてしまったほどである。

 ところで・・・・新日本フィルの演奏には、ただ嘆息。90年代に逆戻りか?

コメント

同じ公演を聴きました。
この日の新日本フィルの演奏内容及び姿勢は、貴殿が同オーケストラを「好調」と評するときと、何ら遜色はないように私は感じました。解釈と嗜好の問題において賛否は分かれるだろうと想定はしますが。
人の演奏に「×」をつけるなら、なぜ「×」とお思いになったのか。その根拠を客観的に明記すべきではないですか。そうしないのであれば、素人の中傷記事と全く変わりません。尚、この日演奏された全ての曲の指揮は、言うまでもなくホリガー氏です。指揮者が「〇」でオーケストラが「×」ということはあり得ないと私は考えます。結果的に貴殿は、ホリガー氏の指揮能力についても「×」をつけていることになっています。


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