2024-03

2012・10・17(水)ウラジーミル・フェドセーエフ指揮
        チャイコフスキー・シンフォニー・オーケストラ

   サントリーホール  7時

 つい最近までモスクワ放送交響楽団という名で知られていたオーケストラ。本当は9年前から標記のように名称を変えていたのだが、日本では昔の名の方が通りもいいのでそのままになっていただけの話。それにしても、片仮名で表記すると長くて面倒だ。

 今夜は東京公演の3日目で、スヴィリードフの交響組曲「吹雪」、リムスキー=コルサコフの「スペイン奇想曲」、ショスタコーヴィチの「交響曲第10番」、アンコールにチャイコフスキーの「白鳥の湖」から「スペインの踊り」。

 あふれんばかりの大きな音はさすがロシアのオケならではだが、3年前の日本公演で聴いた「イオランタ」と同じように、ピアニッシモが実に美しい。
 「吹雪」の冒頭など、囁くような最弱音でありながらホールいっぱいに豊かに拡がるふくよかな響きは見事というほかなく、円熟の老練フェドセーエフの面目躍如、というところ。この曲、彼はかなり前に東京フィルと演奏したことがあるが、その時にはこんな空間性豊かな音は聴けなかったと記憶している。ただ、いずれにしても、おかしな曲である。

 ショスタコーヴィチの「10番」は、轟然たる音は響かせるけれども、決してヒステリックに怒号するのではない。あくまでも力まず、気負わず、余裕を以って滔々と押して行くといったタイプの演奏になった。
 それゆえ第2楽章など、デモーニッシュな狂乱怒涛という性格は希薄で、ただ音だけが乱舞するという印象になるのがやや物足りない。第4楽章大詰めでも、D-Es-C-H(作曲者の名の一部D.Schを読み替えたモノグラム)の連呼と歓呼とをあまり際立たせることなく、むしろ、豊麗な音色のオーケストラを自然な流れに任せつつ終結させるとでもいうような手法を採っていた。
 このあたり、やはり最近のフェドセーエフの落ち着いた(枯れた?)味――というものか?

 しかし、オーケストラは相変わらず巧い。「スペイン奇想曲」では、フェドセーエフの悠然たるイン・テンポの中で、ロシアの原色的な華やかな色彩感が爆発する。「スペインの踊り」でも同様であった。

 「スペインの踊り」は、3年前の日本公演でも演奏されたが、タンバリンを叩いていた奏者は前回同様、以前「雪娘」の「道化師の踊り」で2つのタンバリンを両手で派手に振り回し、大拍手を浴びた「二刀流オジサン」だろう(すこし老けたか)。今夜も――今回は「片手」でだけだったが――活躍していた。もし演奏のあとに、あの二刀流オジサンが、これもジェスチュアの目立っていたカスタネット奏者とともに単独で答礼する機会に恵まれていれば、それこそ詳しいお客さんの大ブラヴォーを浴びていたはずなのに。

コメント

youtubeで、この団体の公式HPで、ショスタコーヴィチの「10番」を観ることができる。去年のムジークフェラインでの公演。多分、印象は同じなのでは。5番、10番、15番。そして、チャイコの協奏曲集。
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僕は、16日に行きました。3日間ある中で、中学生の時に買ったビクターのレコードを思い出して。あのレコードの頃、ひと月の小遣い分に匹敵する買い物だったから。

思い出をこめて、出かける。やっぱり、ライブ(生)演奏はいいね。。。。。。

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