2024-03

2012・10・20(土)シルラン・カンブルラン指揮読売日本交響楽団のラヴェル

   東京芸術劇場  6時

 渋谷から池袋に移動。カンブルランが久しぶりにラヴェルの全曲ものを指揮するので、これも聴き逃すわけには行くまい。プログラムは、「マ・メール・ロワ」と「ダフニスとクロエ」。

 カンブルランは3年前、常任指揮者就任の直前に、読響と横浜でラヴェルの「クープランの墓」を指揮して、洗練されて典雅な、絶妙な演奏を聴かせたことがある(ライヴCDで聴くと少し違った印象になっていたが、現場ではそういう印象だった)。
 前世紀には奔馬のようなオケだったあの読響が、ついにここまでやるようになったかと、その時は大いに驚き、嬉しくなったものだが、――それが頭の中にあっただけに、今回のプログラムも当然うまく行くだろうと思っていた。

 「マ・メール・ロワ」では、ソロの管楽器群に何となく座りの悪さのようなものが感じられたが、これは多分もう1回公演があれば解決されるだろうという程度のものである。

 本領が発揮されたのは、プログラム後半に置かれた「ダフニスとクロエ」だった。
 日本のオーケストラが、この曲でこれだけ光彩陸離たる演奏を聴かせた例は、決して多くないのではないか。明るく豊麗な音色が素晴らしく、テュッティで爆発する個所でも、音の濁りは全くと言っていいほど感じられない。最弱音も、柔らかく豊かな音で拡がる。管のソロも(僅かな瑕疵は無視して)満足すべきものだったし、特にホルンとフルートのソロには讃辞を贈ろう。

 何より見事だったのは、第1部と第2部での断続の多い音楽の流れを全く淀ませることなく、瑞々しく進めて行ったカンブルランの指揮である。
 第3部(所謂第2組曲に相当する部分)での輝かしい演奏については改めて言うまでもない。大詰めの熱狂的な頂点で――それまで何度か繰り返された昂揚の、更にその上を行く圧倒的な力感がもう一つ加われば・・・・という気がしないでもなかったが、それはないものねだり、になるだろうか。

 それにしても、読売日響の最近の好調ぶりは、目覚しい。

コメント

フランスの香り

 初日のサントリーでの公演に行きました。久々にフランスの香りを味わうことができた演奏。日本のオケが、ここまでやれるのかと、感嘆した次第です。
 「マ・メール・ロワ」は、その曲想から全体の構成が難しい部分もありますが、音彩からうまく表現し、最後への盛り上がりの音空間は、綺麗の一言。しかし、これ読響?
 「ダフニスとクロエ」は、久々の全曲。以前、フランスのオケが演奏したものを聴いた時よりもカンブルランさんの指揮は、より構築美を感じる演奏でした。最後への盛り上げがもう少しあってもよかったと思いましたが、金管パートが濁らずに我慢できたところはお見事。全曲を飽きずに聴けた演奏のなかでかなり高水準。
 先日のチャイコから今回のラベル。日本のオケでここまで音色を操れる楽団は、ここだけでしょうかね。
 

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