2024-02

2012・10・29(月)ミュージカル「エリザベート」20周年記念特別コンサート

    東急シアターオーブ  1時30分

 この場合は「エリーザベト」でなく「エリザベート」と表記。
 もっとも、実際に歌っている発音は「タンホイザー」でもこのミュージカルでも「エリーーザベート」と聞こえるのだから、微妙ではある。

 ミヒャエル・クンツェ Michael Kunze の脚本、ジルヴェスター・レファイ Sylvester Levay(公演の表記ではシルヴェスター・リーヴァイ)の作曲になるこのミュージカルは、1992年9月にウィーンのアン・デア・ウィーン劇場でプレミエされたもの。初演時の演出が何とあのハリー・クプファーだったというから、オペラ愛好家にとってもまんざら無縁の存在でもないだろう。

 今回はその「20周年記念コンサート 日本用特別ヴァージョン」と銘打たれての日本公演だが、幸いにも、純然たる演奏会形式ではない。セミ・ステージ形式というか、オーケストラが舞台上に配置され(もちろんPAあり)、それを囲むように演技スペースが設置され、若干の装置を含む舞台美術も備わり、照明も綿密にデザインされている。視覚的にもすこぶる充実したものだ。演出はロバート・ヴァンが担当している。

 物語は、もちろんあのオーストリア皇后エリザベート(マヤ・ハクフォート)をヒロインにしたものだが、このミュージカルでは、彼女を暗殺したルイジ・ルキーニ(ブルーノ・グラッシーニ)の回想を核にストーリーを展開させながら、擬人化されたトート(死)なる男(マテ・カマラス)の存在を絡ませることによってヒロインの性格の「光と影」を描いているところがミソだ。
 それに、物語の展開が快調に感じられるのは、音楽がよく出来ているからでもあろう。クラシックのオーケストラの楽器を多く使いながら、音楽はクラシック調でなく、非常にリズム性の強いものとなって、かつスピーディに進んで行く。聴いていて実に愉しい。

 歌手たちの歌唱は、欧米のミュージカルの水準から言えば必ずしも最上とは言えないかもしれないが、それでも日本のミュージカル上演と比較すれば雲泥の差である。
 このように歌がちゃんと歌われた時のミュージカルというものが、如何に素晴しいものであるか・・・・言っては何だが、劇団四季のミュージカル上演に出る歌手たちが、せめてこの半分ほどの域にでも達していたらと思わないではいられない。

 今日は、「グランド・フィナーレ」がつくという話だったので、どんなものかと楽しみにしていたら、マヤ・ハクフォートが今回の一連の公演を最後にこのエリザベートの役柄からリタイアするとのことで、日本語の巧いマテ・カマラスのリードで特別にアンコールのデュエットを歌うという趣向が凝らされていた。
 扇子の裏側に書いた日本語訳の歌詞をユーモラスにカンニングしつつ、綺麗な発音の日本語で歌う彼女を、観客席も熱狂的な拍手で称える。これを含め、カーテンコールもいつ果てるともなく延々と続いたので、終演は4時半を回った。

 それにしても、ミュージカルは、どうしてこう女性客が多いのだろう。今回は、やはり「エリザベート」人気か?
 今日など、男の客は、女性客20人に対して1人、どうかすると30人、40人に1人くらいだったかもしれない。だが私の隣の席には、よりにもよって、その数少ない男の1人が来てしまった。
 休憩時には、ロビー一杯に長い長い行列が出来ており、その遥か彼方で「女性化粧室最後尾」のフリップを持った女性係員が声を枯らしている。これじゃ大変だろう。対照的に、男子トイレはほとんど無人である。――つまらぬことはともかく、女性の観客は、年齢を問わず、スタンディングをやるわ、手拍子で加わるわ、とにかくノリがいい。羨ましいことだ。中年以上の男は、為す所なく黙って座ったまま拍手しているのみ。

コメント

とても魅力的な記事でした!!
また遊びに来ます!!
ありがとうございます。。

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