2024-02

2012・12・1(土)マリス・ヤンソンス指揮バイエルン放送交響楽団のベートーヴェン~4

     サントリーホール  7時

 横浜から戻って、今回の東京でのツィクルスの最終回を聴く。「第8番」と「第9番」だ。
 バイエルン放送合唱団(かなりの人数)が、今日と明日(横浜)の「第9」のためだけにわざわざ来日した。豪華なものである。

 ソリストは、クリスティアーネ・カルク、藤村実穂子、ミヒャエル・シャーデ、ミヒャエル・フォレ。
 このうち、カルクだけはあまり馴染みがなかったけれども、プロフィールに、2年前のザルツブルクでムーティが指揮した「オルフェオとエウリディーチェ」のアモーレを歌っていたと書いてあるのを読んで、あの可愛いソプラノだったかと思い出した。ただ、他のベテラン3人のソリストに比べると、やはり声が軽く、多少バランスを崩すだろう。
 一方、この曲のメゾ・ソプラノのパートをはっきり聞こえさせる歌手としては、藤村実穂子はおそらく唯一の人かもしれない。

 この2曲では、マリスは本当に正面から真摯に取り組み、ひたすら精魂こめて、何一つ余計な飾りをつけずに指揮して行った。何か曲をいじくらねば気が済まぬという風潮の目立つ当代の指揮者連の中にあって、これはこれで独自の美学であろう。
 時にはちょっと物足りなく感じることもあるが、時にはその自然さが気持のいいこともある。

 今夜の演奏の中でたった一つユニークなことと言えば、「第9」第4楽章の行進曲の個所で、2番トランペットのパートを舞台下手の袖から奏者を次第に近づかせながら吹かせ、吹き終わると退場させた趣向だろうか。
 これは当然歌詞の内容に応じてのことだろうが、さほど劇的な効果というほどではなかったようである。以前ザルツブルク音楽祭でヤンソンスとこのオケが「第9」を演奏した時には、こんな趣向はなかった。

 その他は、「8番」第4楽章最後の和音を、切りつけるように鋭く終らせたことくらいだろうか。そこでは、マリスが指揮棒を凄い勢いで第1ヴァイオリンとコントラバス群の方へ突き出したのが印象的な光景であった。
 ヒューマンな雰囲気を滲ませて指揮をし、それにふさわしい音楽をつくったマリスは、演奏終了後、またもやソロで2回も舞台に呼び戻されていた。

コメント

そ う か つ

このチクルス初日、お話し中の先生のお姿を2階ホールでお見かけしました。今度はご挨拶してみようかしら。
 私は、平素ベートーヴェンの交響曲は、6番9番の順で好んでおりました。今回はどれもよかったのですが、5番の日がよかった。師、ムラヴィンスキー仕込み?比較や順位付けをする必要は、まったくないと思いながら、ブロシュメットの7番が、印象深いです。こちらは、感覚的には、「リズムの神化」といわれているより、優しくアンニュイ。
 9番は、どれよりも迫力がありました。また、オーボエの響かせかたに特徴ありと思いました。若い方と、ベテランらしいお二人が交代で出てきていました。
 ベテランのうち、お一人は1、2番の第一と5番の2番手を務めていた方。P席で聞いていたのですが、これが絶妙。ファゴットもクラリネットも上手い。
もうひとりのObの達人は、時間がたってうまく思い出せないが・・9番と7番も担当していたはず。この人も、絶妙。抑制があり歌いすぎず、ピリリとしっとりと引き締める。
 ホルンは、ヤンソンス氏は、しっとりと扱うように感じました。9番7番で、フランクで聞くホルンのように、決めるべきところで響かせました。
 甥がホルンのプロを目指して勉強中で、こんな風に演奏できるのか、いつもホルンの仕事は興味深々です。
 ベートーヴェンの曲は、概して第一ヴァイオリンには、縁の下の仕事が多いいような、6番以外、高音域へのアプローチが少なく、フラストレーションがたまりそう・・
そんなことを感じて聞いていましたので、いつもアンコールの美しい、弦の音にほっとして、家路につきました。

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