2024-03

2013・12・9(月)アトリウム弦楽四重奏団 チャイコフスキー弦楽四重奏曲全曲演奏会

     東京文化会館小ホール  7時

 チャイコフスキーの弦楽四重奏曲3曲を一度に聴けるなどという演奏会は、稀であろう。
 「アンダンテ・カンタービレ」を含む「第1番」は、時にナマで聴く機会もある。「第3番」も、どこかの四重奏団が演奏したのを一度聴いたことがある。だが「第2番」に至っては、コンサートで聴くのは私も今回が初めてだ。貴重な機会である。お客さんも結構入っていた。

 演奏するアトリウム弦楽四重奏団は、サンクトペテルブルク音楽院在学生により2000年に結成された団体で、現在はベルリンを本拠にしている由。若々しく溌剌とした、エネルギー感にあふれた演奏が素晴らしい。

 チャイコフスキーの弦楽四重奏曲3曲は、1871年2月から76年2月までの間に作曲され、それは幻想序曲「ロメオとジュリエット」から「白鳥の湖」や「第4交響曲」までの間の時期に位置する。
 作風は、素朴なものから次第に鍛錬された緻密な構築へ変化して行くさまを如実に示していて興味深い。その代り、所謂親しみやすさといったものは、次第に薄らいで行くようにも思える。
 だが、この作曲家に特有の押しの強さや、クライマックスへ持って行くテクニックの見事さなどは、どの作品においても感じられるのである。今夜の演奏では、とりわけ「第2番」が素晴らしかった。その意味でも、私のようなチャイコフスキー愛好家にとっては、大いに愉しめた演奏会であった。

 今夜の演奏は、ロシア民謡も引用されている「第1番」を含めて、所謂ロシア情緒のようなものをあまり意識させないものだったが、それはペレストロイカ以降の世代のロシアの演奏家たちに多く見られる特徴なのかもしれない。

 元気がよく、エネルギー充分な彼らは、たっぷりした量の3曲を弾き終っても疲れも見せず、更に15分ほどの長さを持つアレンスキーの「チャイコフスキーの主題による変奏曲」(弦楽四重奏曲第2番イ短調」第2楽章)を鮮やかに弾いてくれた。これもなかなか聴く機会のない曲である。終演は9時半頃になった。

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