2024-03

2013・12・10(火)シルヴァン・カンブルラン指揮読売日本交響楽団

    サントリーホール  7時

 ハンガリー特集――ということで、リゲティの「ロンターノ」で幕を開け、バルトークの「ピアノ協奏曲第3番」(ソロは金子三勇士、母堂はハンガリー人である)、「ルーマニア民族舞曲」、「中国の不思議な役人」組曲。
 そしてアンコールには何とベルリオーズの「ハンガリー行進曲(ラコッツィ行進曲)」。少々こじつけ気味のところもあるが、プログラムの趣旨は徹底している。

 カンブルランと読売日響は、ますます快調のようだ。今年もマーラーの「第6交響曲」をはじめ、いろいろな名演を聴かせてくれたが、今回の「ハンガリー系プログラム」もなかなかの快演であった。

 「ロンターノ」での静謐な音の層は陶酔的なほどに美しく、「民族舞曲」は――バルトーク的というよりはむしろフランス的な洗練さで鳴り響く。いずれも透明で澄んだ音色が印象的で、特に後者では弦楽器群の微細な息づきが素晴らしい。読売日響の柔軟な反応は見事であり、こういう演奏を聴くと――変な言い方だが――日本のオーケストラも本当に巧いものだ、とつくづく感じてしまうのである。

 最後の「中国の不思議な役人」では、この明晰透明な音色を引き継いだまま、バーバリズムが胸のすくような勢いで躍動する。特に後半部分での、ひたすら追い上げ、煽り立てて行く推進性は目覚ましかった。それに加え、アンコールのベルリオーズがまた、びっくりするほどの豪華壮麗な演奏だったのである。

 協奏曲では、金子三勇士の成長が感じられて嬉しい。強靭な打鍵と満々たるエネルギー感はこの若者の身上だろう。これが時に勢いのおもむくまま突き放したような演奏に聞こえることもあるのだが、リストやバルトークなどではそれがプラスに生きることがある。
     音楽の友2月号 演奏会評

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