2024-03

2008・4・12(土)パトリシア・プティボン(ソプラノ)・リサイタル

   東京オペラシティコンサートホール

 フランス系(アーン、ロザンタール、プーランク、コレ、カントルーブ、サティなど)、アメリカ(バーバー、コープランド他)、スペイン(オブラドルス、トゥリーナ、ファリャ)の作曲家の作品に、モーツァルトの「フィガロの結婚」から2曲、といったプログラムが組まれた。

 これらを通じて展開されるプティボンの歌と演技の、何と多芸多才なこと!
 美声から奇声、嬌声、悪声にいたるまであらゆる声を使い分け、踊り、行進し、自ら打楽器を演奏し、ギャグまでこなす。それはもう見事なものである。しかも、ピアノのマチェイ・ピクルスキまで日本語を使ってギャグに参加するという具合だから、予想外に賑やかで華やかで陽気なリサイタルとなった。
 これに対しお客さんは、どちらかといえば普通のリサイタルを予想してやって来て、プログラムが一区切りするところまで拍手を控えてじっと聴き入ろう、という姿勢だったから、当初のうちは気分的にマゴマゴするようなところがあって、このギャップが何とも不思議な雰囲気を作り出していた。
 次第にみんな彼女のペースに乗せられていったが、プログラムの終りの方で、「フィガロの結婚」のバルバリーナのカヴァティーナとスザンナのアリアがオーソドックスなオペラのスタイルで歌われた瞬間に初めて大きなブラヴォーと拍手が爆発したのは、もしかして今日の聴衆のホンネの表われだったかもしれない。

 しかしともあれ、楽しい、異色のリサイタルであった。この人の歌唱力と表現力は、たしかにすばらしいものだ。昨年のザルツブルク音楽祭でハイドンの「アルミーダ」のゼルミーラを歌うはずが、当日行ってみたらキャンセルになっていたこともあり、私にとっては何故かなかなか舞台姿に接する機会に恵まれないのが残念である。

 そういえば、最初の方で彼女の歌に合わせて舞台に闖入し、独りで勝手に踊りまくり、ピクルスキの「ピストルに撃たれ」、袖に引きずり込まれて二度と出てこなかったあの兄ちゃんは、だれが演じていたのだろう?

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