2024-03

2014・3・7(金)マリア・ジョアン・ピリス・ピアノ・リサイタル

    サントリーホール  7時

 シューベルトの「4つの即興曲 作品90」と「ピアノ・ソナタ第21番変ロ長調」との間にドビュッシーの「ピアノために」を配し、アンコールにシューマンの「予言の鳥」を演奏するという一夜。
 意外にも彼女の日本でのソロ・リサイタルは、16年ぶりのことだという。そういえばそうだったか、久しくデュオしか聞いていなかったか、と改めて年月を感じてしまう。

 この人の演奏は、デュオよりソロの方が圧倒的に良い。
 だが彼女ももう年輪を重ねて、良くも悪くも、昔聴いた印象とは違って来た。今夜のリサイタルでも、ソナタの第1楽章などは、昔よりも沈潜の度がさらに増し、一つ一つの音を更に慈しみながら、どこか遠い遠い世界に想いを馳せつつ弾いて行くような演奏、とでもいうか。
 こういう演奏は、本当はもっと小さなホールで聴いた方が、音楽を身近に感じることができるだろう。だが、2000人のサントリーホールをぎっしり埋めた聴衆とその熱烈な拍手を聞けば、彼女の音楽に共感する人たちの数は、小ホールに入り切れるものではないことを示している。

 「4つの即興曲」も やや乾いた音色が気にならぬこともなかったが、陰影の濃い美が見事だ。
 そのシューベルトの間に演奏されたドビュッシーには、さらに強い魅力が感じられる。ピリスが久しぶりに聴かせた、気品に満ちた、しかも鮮やかな色彩感だった。

コメント

コメントの投稿


管理者にだけ表示を許可する

トラックバック

https://concertdiary.blog.fc2.com/tb.php/1841-623b2a02
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)

«  | HOME |  »

























Since Sep.13.2007
今日までの訪問者数

ブログ内検索

最近の記事

Category

プロフィール

リンク

News   

・雑誌「モーストリー・クラシック」に「東条碩夫の音楽巡礼記」
連載中