2024-02

2018・11・3(土)バッティストーニ指揮九州交響楽団

     アクロス福岡シンフォニーホール  3時

 あの札幌と横浜での公演に続き、24日に西宮、28日に大分で「アイーダ」を指揮したばかりのアンドレア・バッティストーニが、今度は九州交響楽団の定期公演に登場、ロッシーニの序曲集と、マスカーニの「カヴァレリア・ルスティカーナ」(演奏会形式)を指揮。今日もまた熱血の指揮で客席を沸かせた。

 ロッシーニの序曲は「どろぼうかささぎ」と「セビリャの理髪師」と「セミラーミデ」の3曲。1曲目の冒頭の小太鼓のロールと、それに続く行進曲からして、その闊達で開放的な、沸き立つように躍動的な演奏が聴き手の心を捉えてしまう。3曲とも見事な演奏で、九響もまたバッティストーニの全身火の玉のようになって音楽に打ち込む指揮に応え、存分に燃えていたようであった。

 ただ、「どろぼうかささぎ」序曲の第2部が全面的にカットされていたのには納得が行かなかったが・・・・このような版でもあるのかしら? ロッシーニのオペラの版に詳しくない私には何とも言えない。イタリア人で、オペラの指揮にもすでに実績のあるバッティストーニがやることだから、何か根拠があるのかもしれないけれども。いずれにせよ、聴き慣れた音の流れがぱっと飛び、何か不自然な繋がり方を感じさせたのは確かで、今日の演奏の中ではここだけが疑問と不満とを残した。

 「カヴァレリア・ルスティカーナ」は、文字通りの大爆演である。
 歌手陣は、中島郁子(サントゥッツァ)、福井敬(トゥリッドゥ)、与田朝子(ルチア)、成田博之(アルフィオ)、富岡明子(ローラ)、九響合唱団(合唱指揮・横田論)。
 九響のコンサートマスターは扇谷泰朋。

 バッティストーニは、まさに水を得た魚のようだ。彼の猛烈な指揮が、そして九響の爆発的な大熱演が、このヴェリズモ・オペラを、それに相応しく燃え上がらせる。
 この曲を演奏会形式で━━つまりステージの上にオーケストラが乗った形で聴くのは、私はこれが初めてなのだが、今日のような劇的かつ激烈な演奏で聴くと、オーケストラが如何に雄弁で、感情描写の激しい性格を備えているか、またそのオーケストラが如何に巧くあざとく聴き手を興奮に引きずって行くか、などということがいっそうよく解って来る。
 そして、かつて一部の批評家から「あまりに扇情的」と評されたヴェリズモ・オペラの毒々しいばかりの凶暴な性格が━━19世紀末イタリア・オペラ界を巻き込んだヴェリズモ・オペラの本質のようなものが、いっそうよく実感できるような気もする。
 こういう演奏を引き出すバッティストーニという指揮者、実に得難い才能の持主である。

 それに加え、今日の歌手陣の粒のそろった見事さ。特に福井敬の、大管弦楽の咆哮をも上回るエネルギー全開の歌唱は物凄く、サントゥッツァとの口論の場の締め括りなど、これぞヴェリズモ・オペラの真髄といった表現を噴出させた。先頃の「アイーダ」でのラダメス役に続き、彼は以前にも増して絶好調の状態にあるようだ。中島郁子の、柔らかいがよく透る声も素晴らしい。

 明日の大阪への移動に備え、博多駅前の「JR九州ホテル ブラッサム博多中央」に泊。

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