2024-03

2018・11・14(水)エフゲニー・キーシン・ピアノ・リサイタル

      東京芸術劇場 コンサートホール  7時

 マチネーの演劇を観たあと、そのまま東京芸術劇場に居座り━━といっても近くの店でコーヒーを飲みつつパソコンに向かい、仕事をしていたのだが━━頃合いを見て夜のキーシン・リサイタルに向かう。
 プログラムが変更になって、最初に発表された「ハンマークラヴィーア・ソナタ」などが消え去ったのが残念だ。彼はすでに欧米でこの曲を弾き、好評を得たはずだから、東京でも弾いて欲しかったところだ。
 結局今回の日本でのプログラムは、第1部がショパンの「夜想曲」の「作品55の1」と「62の2」、シューマンの「ソナタ第3番」、第2部がラフマニノフの「10の前奏曲 作品23」からの第1~7番、「13の前奏曲 作品32」からの第10、12、13番となった。

 前回の来日の際に弾いたシューベルトとスクリャービンでもそうだったが、今回の演奏でも、やはりお国もの━━ロシアものの方が、どうしても強いインパクトを残してしまう。ショパンとシューマンでの演奏が意外に淡白に感じられたこともあってか、ラフマニノフの「前奏曲集」での力感に溢れた演奏がいっそう目立つ結果になる。

 ショパンのリリシズムと、ベートーヴェンの豪快なスケルツォの精神とを併せ受け継いだようなこの作品群で、キーシンが聴かせたソロは━━これも以前に比べればやや淡白な印象ではあったのだが━━やはり魅力を感じさせた。豪快な音の奔流の裡に、一つ一つの音が翻り躍って煌めき、素晴らしいアクセントをつける。「作品23の5」の中ほど、哀愁の歌から豪壮な躍動に戻りはじめるあたりの呼吸の巧みなこと!

 アンコールはまたたくさん弾くのではと警戒し、シューマンの「トロイメライ」と、彼の自作の何とかいう「タンゴ」を聴かせてもらったところでこちらは撤退してしまったのだが、そのあとはショパンのポロネーズが弾かれただけであっさり終ったらしい(6日のサントリーホール公演と同じだったのか?)。なんせ去ぬる年には、10時10分までアンコールを弾き続けたこともあった彼なので・・・・(最後まで聴いたが)。キーシンも、そういう面でも淡白になったのか?

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