2024-02

2008・11・10(月)テミルカーノフ指揮サンクトペテルブルク・フィル
チャイコフスキー・ガラ

   東京オペラシティコンサートホール

 来日オケ愛好派はサントリーホールのマリス・ヤンソンス&コンセルトヘボウに流れるのではないかと心配していたが、かなりの入りだったのにはホッとした。何によらず、客席に隙間が多いと、演奏者に気の毒でたまらないものだからだ。

 今日はチャイコフスキー集。冒頭は「エフゲニー・オネーギン」からの「ポロネーズ」。
 最初は1階15列目で聴いていたのだが、右隣に座った外国人の男が凄いオーデコロンの臭いの上、横柄に肘を大きく突き出す奴なのにうんざりし、このままで30分以上も「ピアノ協奏曲第1番」を聴き続けるのは堪らないと、1曲目が終ったところで逃げ出す。
 そういえば、去る3日にこのピーコンを聴いた時にも、これも右隣の某氏が轟然たるいびきをかくのに閉口、1楽章に一度のわりで計3度突っついたが効き目なく、ついに休憩後は他の席に逃げたことがあった。どうもこの曲、ついていない。

 が、1階のうしろから2列目あたりに退避すると、このオーケストラの音量はちょうどいい具合に聞こえる。ダイレクトで強烈な音響でなく、適度の遠近感と柔らかさをもって響いてくるようになるのだ。以下はその位置で聴いた印象。

 ソリストのデニス・マツーエフの演奏は、前述の3日のとほぼ同じ。
 休憩後には、まず庄司紗矢香が登場して「憂鬱なセレナード」を弾く。まさに暗くメランコリーな音色ではあったが、ふだんの彼女とは随分違う演奏に聞こえ、いささか戸惑った。拍手の感じから推察すると、お客さんも同じだったのではなかろうか。
 続いて若い歌手2人――ソプラノのエカテリーナ・シェルバチェンコ(ロシア生れ)と、テノールのアンドリュー・グッドウィン(オーストラリア生れ)が登場、「スペードの女王」「エフゲニー・オネーギン」「イオランタ」からのアリアや二重唱を歌う。
 この数曲でのオーケストラの甘美でソフトなサウンドは天下一品。テミルカーノフの指揮するオペラを聴く機会が無いのは本当に残念だ。かつてはゲルギエフの前任者としてキーロフ・オペラの芸術監督だった人だし、現在もボリショイ劇場の首席客演指揮者に迎えられている人なのだから、もう少し日本でもオペラを聴かせてくれないものか。

 最後は、「1812年」。この曲をナマで聴く機会はあまり無い。やや素っ気ない演奏だったが、弦の迫力は抜群である。最後の帝政時代のロシア国歌が鳴り響くくだりでは、金管群が立ち上がって吹くという「巨人」なみの演出だ。
 これを聴きつつ、以前テミルカーノフが語った「ソ連時代には、この曲をオリジナルの形で演奏することはできなかったのですよ」という言葉を、ふと思い出した。たしかに昔聴いたソ連のレコード(日本でも出たはずだが)では、この国歌のフシだけが別の旋律に差し替えられ、異様な響きになっていたのを記憶している。その時にはそのフシがなんだったかは知らなかったのだが、あとでグリンカの「皇帝に捧げし命」(ソ連時代の題名は「イワン・スサーニン」)の、終幕の合唱だと聞かされた――。

 翌日朝のハンブルク行きに備え、この曲が終ったところで会場をあとにする。
 

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