2024-03

2008・11・15(土)小山実稚恵ピアノ・リサイタル

  オーチャードホール マチネー 3時

 シューマン(蝶々)、シューベルト(即興曲Op.142-1)、ショパン(第3ソナタ)の間(2曲目)にベートーヴェン(テンペスト)を含ませたプログラム。

 小山はこれを「内なる叫び」というコンセプトでまとめ、さらに「心の中で吹きすさぶ風、感情の渦の中から聞こえてくる声」とも付記している。
 作品本来の性格からみた場合、2つのソナタはともかく、他の2曲については必ずしもそうとも言えないような気もするのだが、しかしこれが彼女の演奏にかかると、まさにその表現ぴったりの曲と化してしまうのだ。そこが面白い。
 その音色はあくまで澄んで明晰であり、しかもなまなましい生命感に満たされる。一刀両断的な明快さを持ちながら、その一方で瑞々しい詩情をも失わないという、そのように見事な均衡を保った演奏をするピアニストは、わが国には決して多くはないだろう。

 久しぶりでこのホールにおける彼女のシリーズ・リサイタルを聴いたが、一頃のようなエネルギー偏重の演奏スタイルからはすでに完全に脱しているようだ。彼女は、その魅力をいっそう増した。

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