2024-02

2008・11・15(土)イルジー・コウト指揮NHK交響楽団定期
「トリスタンとイゾルデ」演奏会形式第2幕

   NHKホール 6時
  
 ペーター・ミリングをゲスト・コンマスに迎えたN響の弦は、ふっくらした柔らかい響きを発揮していた。
 全体に悪くない演奏ではあったが、音楽に陰翳が全くないというのが珠に瑕か。
 特に終結近く、トリスタンとイゾルデがともに黄泉の国に向かうことを語る個所など、この世ならざる絶望の深淵が描かれてしかるべきではないかと思うのだが、今日の演奏はただ軽く流れて行くのみである。

 ソロはアルフォンス・エーベルツ(トリスタン)、リンダ・ワトソン(イゾルデ)、マグヌス・バルトヴィンソン(マルケ王)、クラウディア・マーンケ(ブランゲーネ)、木村俊光(メーロト)。一声だけのクルヴェナル役は陰歌だったが、だれの声?

 第2幕の前に「前奏曲と愛の死」がワトソンの歌入りで演奏された。大詰めの「愛の死」を先にやってしまうのもおかしなものだが、まあよかろう。しかしこれをやるくらいだったら、そのぶん、第2幕をノーカットで演奏してもらいたかったという気もする。
 「ブランゲーネの警告」は最上階客席で歌われたが、このテには異論がある。本来この歌は彼方の見張りの塔の上から聞こえてくるような、夢のごとき響きによって聴衆に伝わるべきものなのだ。だがこの方法では、2階客席以上の客にはオーケストラよりもはるかに大きな、リアルな歌声に聞こえてしまうのである。「舞台上で聴けばバランスがいいんだけど」では困る。
 それにもう一つ、今日の字幕は著しく言葉が多すぎる。過ぎたるは及ばざるがごとし。
 

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