2024-03

2006・4・3(月)ホール・オペラ プッチーニ「トゥーランドット」

    サントリーホール 6時30分

 かなり大がかりな上演だが、それはやはり作品の規模が生み出す印象といえよう。神経の行き届いた照明(石井幹子)と、制限の中でよく工夫を凝らしたデニー・クリエフの演出(装置、衣装も含む)の功績も大きい。
 舞台上手側に白い大きな正方形の櫓のようなものがあり、これは一種の四阿のようにもなる。下手側には大きな赤いボール状のようなものがあり、トゥーランドットの隠れ家のようにもなる。中央には不等辺三角形の白い台が在る。
 演出は当然「ホールオペラ」としての規模の範囲だが、リューの死の後で暗転、字幕に「プッチーニはここまで作曲しました」と出し、「この後は弟子の・・・・」云々に続きカラフとトゥーランドットおよびP席の合唱団員を通常の服装とさせ、照明も演奏会のそれに戻すという方法を採った。これは適切な方法である。

 トゥーランドットは横柄な姫ではなく、愛に飢える感情を残酷な方法で隠蔽するという自閉症的な性格に描かれていた。多分珍しくはない手法だろうと思うが、これもアイディアではある。アンドレア・グルーバーの歌唱スタイルは、METのラジオ放送で聴くと大時代がかったものに思えるが、ナマでは演技の巧さと、美形の容姿のために欠点も気にならない。
 カラフはヴィンチェンツォ・ラ・スコーラ、リューにスヴェトラ・ヴァシーレヴァ(ブルガリア生れ、可憐で素晴らしい)、ティムールにジャコモ・プレスティア(非常に強力)他。

 ニコラ・ルイゾッティはオーケストラ・合唱ともども鳴らし過ぎだ。聴くこちらも難聴寸前に追い込まれた。サントリーホールにはあの音響は大きすぎる。かつてベルティーニが「千人の交響曲」を振った時にも似たような状況だったが。
 今回の公演は、荒川静香がトリノ・オリンピックで使用した「誰も寝てはならぬ」が聴けるということで、チケットが一挙に700枚だか売れたそうだ。普段オペラを観にこないような人々も結構来るということだから(今日はその荒川静香と小泉純一郎首相が来て大変な注目の的だった)、このくらい大きな音響でやった方が俗受けするのかもしれない。それにしてもうるさかった━━。

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