2024-03

2005・3・6(日)札幌交響楽団東京公演

     すみだトリフォニーホール  3時

 毎年春に独自の東京公演を行なっている札幌交響楽団が、今年は「地方都市オーケストラ・フェスティバル」に参加した。
 1998年に尾高忠明がミュージック・アドヴァイザー兼常任指揮者(昨年より音楽監督)に就任して以降、目覚ましく演奏水準を上げてきたこのオーケストラは、先頃の団の経済的苦況を乗り越え、今や北国の雄として、わが国屈指のオーケストラの一つに成長している。

 この日のプログラムは、尾高と札響が得意としているシベリウスの作品。
 菅野まゆみをリーダーとする弦楽セクションは、そのしっとりとした響きで、このオーケストラの看板ともいうべき存在である。「交響曲第1番」の第2楽章や「ヴァイオリン協奏曲」の第2楽章、交響詩「大洋の女神」などではその個性が余すところなく発揮され、叙情的な陰影を味わわせてくれた。
 
 もっともこの日の演奏は、札響としてはめずらしく豪快な趣で、特に交響曲では怒号するティンパニをはじめ、野性的といってもいいほど荒々しい力にあふれていた。東京や札幌で年に3~4回はこのオーケストラを聴いているが、こういうタイプの演奏に接したのは初めてである。このホールが大音響の坩堝と化す瞬間が何度かあった。
 それはそれで悪いものではない。シベリウスの若き日の作品における、気迫と情熱をほとばしらせた側面が浮き彫りにされたという聴き方もできよう。

 だが交響曲の第4楽章も終結近くに至り、オーケストラは響きの上で見事な調和を取り戻し、それはアンコールでの熱気に富んだ「フィンランディア」にも引き継がれた。これがいつもの札響の音である。

 なお協奏曲でのソロは、チェコの女性奏者ガブリエラ・デメテロヴァー。傍若無人の粗い演奏で、この透明な音色を誇る作品の演奏としては、いささか興を削いだ。

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