2024-03

2005・3・13(日)東京のオペラの森 R・シュトラウス「エレクトラ」

      東京文化会館大ホール  3時

 東京文化会館大ホールの使用方法やオーケストラの選定などの問題であれこれ物議を醸したイヴェントだったが、この「エレクトラ」、出来栄えとしては悪くない。
 なお、小澤征爾は日本語では「音楽監督」になっているのに、英語表記ではArtistic Director(芸術監督)となっている。肩書の訳語には、もう少し注意を払ってもらいたい。

 ロバート・カーセン演出、マイケル・レヴィーン装置デザインは、以前の松本の「イェヌーファ」と全く同じように、舞台一杯に土のようなものを敷き詰めている。他に大道具はなく、ただ中央に穴状のせりをしつらえているのみ。

 黒いノースリーブの(ちゃんとした服装である)エレクトラには30人ほどの黙役の「コロス」的役割の女性たちが付き、エレクトラの苦悩や陶酔を表現する他、オレストを検知する犬の役割までやる。ダンスも受け持つが、本来この作品はギリシャ劇がそのルーツだから、この「舞踊」も本来の意義に適っているだろう。
 エギストとクリテムネストラのみ白服、アガメムノンの子供達はすべて黒服。非常にシンプルな舞台だったが、コンセプトとしてはバランスのいいものだろう。

 デボラ・ポラスキ(エレクトラ)、アグネス・バルツァ(クリテムネストラ)、クリスティーン・ゴーキー(クリソテミス)、クリス・メリット(エギスト)、フランツ・グルントヘーバー(オレスト)の主役陣は超一流の立派なもので、それにふさわしい歌唱を繰り広げてくれた。日本人では山下浩司(後見人)はよく声が出ていたが、従者2人(成田眞、岡本泰寛)は細い。

 小澤征爾の指揮のコンセプトは決して悪いものではなく、モーツァルトやワーグナーなどに比較すれば充分理解できるもので、やはり彼は近代・現代作品の方に向いている。
 ただ如何せん、オーケストラが粗くて汚い。このオケはサイトウ・キネン・オケから中核の一流奏者を除外したような編成で、馬力はあるものの、かなりレベルは低い。

コメント

コメントの投稿


管理者にだけ表示を許可する

«  | HOME |  »

























Since Sep.13.2007
今日までの訪問者数

ブログ内検索

最近の記事

Category

プロフィール

リンク

News   

・雑誌「モーストリー・クラシック」に「東条碩夫の音楽巡礼記」
連載中