2024-03

2005・3・23(水)ベルリン(終)フェストターゲ「カルメン」

      ベルリン州立歌劇場  7時30分

 ベルリン・フェストターゲの一環、ビゼーの「カルメン」が上演されたが、もちろん、そんじょそこらにある「カルメン」とはケタが違う。
 まず総帥ダニエル・バレンボイムの指揮がただならず、凄まじいほどのリキが入っており、前奏曲後半をはじめ各所でドラマティックな音楽を披露した。
 そして、演出はマルティン・クシェイだ。いかにも彼らしく、いろいろ捻ってあるが、展開は基本的にはすこぶるロジックである。

 前奏曲のさなかにホセが処刑され、喪服のミカエラが彼を弔問するという幕開き。彼女が去ると、ストーリーはほぼ原作に戻る。
 ホセはミカエラをも母をも煩わしいと思う男であり、スニガはほとんどサディステックに部下をいびるという屈折した性格。第3幕でカルメンから取り上げたナイフでホセはスニガを刺殺し、自己嫌悪に陥る。

 ミカエラは山中に、なんと案内人と一緒にではなく、エスカミッロと連れ立ってやって来る(案内人のセリフはエスカミッロが語るように変更されている)。ミカエラが発見された瞬間、ホセは闇を盲撃ちにしてダンカイロに制止されるが、実はこの弾丸が彼女に命中したらしいのである。

 ミカエラに同情して手を差し伸べたカルメンがそれに気づき、驚愕してホセに非難の目を向ける。原作にはもちろん無い展開だが、考えようによっては、実に理詰めなドラマ構築である。エスカミッロとの決闘で逆上しているホセの行動としては当たっているだろう。
 最後にミカエラは倒れ、ホセはその傍らで慟哭する。そうなると、第1幕での喪服のミカエラは、あるいはホセの死にぎわの幻覚だったか。とすれば、ホセはやはりミカエラを愛していたのだ。

 大詰では、重傷を負ったか死んだかしたエスカミッロが運びこまれ、それに気をとられたカルメンの一瞬の隙をついて、ホセが「例のナイフ」で彼女を刺す。予想通り幕切れではホセが処刑されるが、前奏曲の最後の和音に合わせてとどろいた射撃音は、今回はない。これも筋が通っている。

 カルメンはマリーナ・ドマシェンコ、ホセは最近売り出し中というロランド・ヴィラゾン(Rolland Villason)という人。この2人とも素晴らしい。

 また知人と「ブランデンブルク」で夜食。

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