2024-03

2005・3・25(金)ザルツブルク・イースター(1)
サイモン・ラトル指揮ベルリン・フィル

     ザルツブルク祝祭大劇場  6時30分

 パリ発LH4211が2時間も遅れ、フランクフルトからのザルツブルク行きLH6422には滑り込みといった感だったが、後者も遅れたのは幸い。市内も交通渋滞だったが、2時半には宿泊のAUSTROTELに到着。

 ラトルとベルリン・フィルの演奏会は、モーツァルトの「交響曲第39番」、ブリテンの「イリュミナシオン」、それにシューベルトの「交響曲《ザ・グレイト》」。今年はブリテンを軸にしたプログラムと謳っている。

 「39番」は弦10型(ただしコントラバスは5本)。ノン・ヴィブラート・スタイルによる演奏で、弦楽器群の響きが主体となり、旋律線が明確に浮き彫りにされている。

 一方ブリテンでは弦12型(これもコンバスは5本)で、非常にヴィヴィッドに、鋭角的に演奏された。これほど面白い、スリリングなブリテンは聴いたことがないほどだ。
 ソロはイアン・ボストリッジ。実にニュアンスの細かい歌い方をする。最弱音から最強音にいたる音量の幅、カウンターテナーなみの高音域の表情の濃さも見事。先日の歌曲リサイタルの時ほどには動かないが、それでも他の歌手よりはよほどよく体を動かす。ポケットへ手を突っ込んでパリのアパッシュよろしく与太って見せたり、客席を睨みつけたり、罵るように歌ったり、いやその多彩なこと。こんなに面白い曲だったか、ブリテンの歌曲は?

 モーツァルトの交響曲がメロディ・ライン浮き彫りだったのに対し、「ザ・グレイト」では、ありとあらゆる声部が巧みに交錯させられている。
 第1楽章での「彼岸的」なトロンボーンを極度の最弱音(楽譜ではpp)で吹かせ、 213小節以降のオーボエを時に際立たせるなど音色の調琢も細かく、オーケストラに多彩な変化を与える。
 第2楽章でのホルンの遠いエコーは、「聴く者が耳を澄ます」というシューマンの言葉を思い起こさせるよう。第 250小節のゲネラルパウゼは驚異的な長さだったが、音楽そのものはまったく沈黙していない。

 とにかくこのラトルの指揮する音楽は、まるで優れたオペラの新鮮な演出を観るように、一時たりとも目を、耳を離すことはできない。原作を暗譜している耳にはそれは新鮮に受け取られるし、初めて聴く耳には、こんなに面白い曲だったかという思いを与えるのである。
 今日最も拍手が大きかったのは、ボストリッジが歌ったブリテンの作品のあとだった。

 終演後は、JTBツアーや単独で来ている馴染みの人たち(お医者さんが多い)と深夜まで楽しい会食。

コメント

コメントの投稿


管理者にだけ表示を許可する

«  | HOME |  »

























Since Sep.13.2007
今日までの訪問者数

ブログ内検索

最近の記事

Category

プロフィール

リンク

News   

・雑誌「モーストリー・クラシック」に「東条碩夫の音楽巡礼記」
連載中