2024-03

2005・3・26(土)ザルツブルク・イースター(3)
サイモン・ラトル指揮ベルリン・フィル

    ザルツブルク祝祭大劇場  6時30分

 1曲目はモーツァルトの「交響曲第40番」。昨日と同様、弦の厚い響き(弦10型)が主体となり、アクセントは極めて強いものの、しかし全体としては予想外に柔らかい音色で、「39番」とは性格を対照させた演奏となった。ピリオド楽器スタイルの演奏だが、クラリネット入りの版を使用しているところが面白い。

 ブリテンの今日の作品は「ノクターン」。全曲切れ目無しの長大な作品を、ボストリッジが相変わらず微細なニュアンスの歌唱で聴かせてくれた。この曲のみコンマスは安永徹。オーケストラの最前列にはホルンのバボラク他、フルート、クラリネット、ハープ、ファゴットのソロが並ぶ。

 後半にはショスタコーヴィチの「交響曲第1番」が演奏され、ベルリン・フィルは、弦16型編成で強大な音響を轟かせた。ラトルのことだから、もう少しこの作品のアンファン・テリブル的な性格を押し出すのかと思っていたのだが、予想に反し、シンフォニックで分厚いトーンで、成熟したショスタコーヴィチというイメージを響かせる。これだけ鳴らされても、1階席で聴けばうるさい音にならぬ。

 昨年のイースターではモダン楽器的な演奏に戻ると汚い音になり、あたら本来の良さを捨ててしまったのかと疑われたほどのベルリン・フィルだったが、作年秋の日本公演で確認されたと同様、すでにその欠陥を克服して、あらゆるタイプの音楽に対応できる安定感を取り戻したように思われる。やはり巨艦は、向きを変えるのに時間がかかるのだろうか。この曲では、安永徹と清水直子が第1プルトの内側で弾いていた。

 曲目が曲目だけに、さすがの音楽祭も、この日は空席も少なからず見られた。斜め前に座っていたラテン系とおぼしき爺さんは退屈しきって椅子を手で叩き始めるという無神経さ。たしなめてやる。

 終演後にはお医者さんのご夫婦と日本料理屋「NAGANO」に入り、うどんと豆腐、ホウレンソウのおひたし、酢の物など。外国でこの種の日本料理を食べると、妙にほっとするものだ。外は比較的暖かいとはいえ、コートなしではさすがに冷える。

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