2024-02

2005・4・9(土)新国立劇場 モーツァルト「フィガロの結婚」

     新国立劇場  5時

 一昨年秋にプレミエされたアンドレアス・ホモキの演出の再演。フランク・フィリップ・シュレスマンの角型の舞台装置とともに、振国立劇場の最近のプロダクションの中では最もバランスの取れたものの一つだ。

 演出という点では、それほど突飛なことはやっていない。第3幕で結婚式の場が無いこと、ラストシーンで伯爵がバルバリーナを強姦する(ように見せかける)ことなどが、以前と変わった演出といえばいえようか。
 第2幕の最後で白い壁と床の箱型の装置が崩れたのちに黒い舞台奥の色が見える、この白と黒の舞台に相当するように白と黒でコントラストをつけた衣装群(メヒトヒルト・ザイベル)、白い壁に効果的に当てる照明(フランク・エヴァン)もなかなか洗練された感覚を示している。こういう舞台であれば、あれこれ意味を考えて耳がお留守になるという弊害を生まずにすむというものだ。

 それにまた、平井秀明という若い指揮者がまじめに音楽を作っており、それは機知とか劇的緊迫感とかいったものには欠けるけれども、まずモーツァルトの音楽の美しさを率直に伝えることに専念していたことが、われわれに一種の快さを与えてくれるもとになったのではないか。
 そのあまりのまっとうすぎる指揮ぶりに退屈させられることが無かったわけではないけれど、モーツァルトの音楽の良さ、特にこの「フィガロの結婚」の音楽が実に良くできたものであることを改めて感じることはできたのである。

 歌手陣は伯爵にヴォルフガング・ブレンデル、フィガロにマウリツィオ・ムラーロ、ケルビーノにミシェル・ブリート(以上はいずれも堅調)、伯爵夫人にエミリー・マギー(意外に細かい音符をいい加減に歌っている)。スザンナの松原有奈も、前回の中嶋彰子のような芝居の巧さには不足するが、健闘していた。

コメント

コメントの投稿


管理者にだけ表示を許可する

«  | HOME |  »

























Since Sep.13.2007
今日までの訪問者数

ブログ内検索

最近の記事

Category

プロフィール

リンク

News   

・衛星デジタル音楽放送
ミュージックバード(エフエム東京系) 121ch THE CLASSIC
「エターナル・クラシック」
(毎週日曜日 12:00~16:00放送)出演

・雑誌「モーストリー・クラシック」に「東条碩夫の音楽巡礼記」
連載中