2024-03

2008・12・13(土)モーツァルト:「ドン・ジョヴァンニ」

  新国立劇場

 新国立劇場制作のニュー・プロダクション。

 今回の演出は、グリシャ・アサガロフ。ごくオーソドックスなもので、演技もさほど微細なものではないが、バランスと全体のまとまりは良い。
 第1幕フィナーレ近く、3つのパターンの踊りが交錯する場面で、楽士を3つのグループに分けて演奏させていたのも――必ずしも目新しい手法ではないが――納得が行く。地獄落ちの場面は、背景の壁が上昇する裡に、ジョヴァンニの乗ったテーブルが奈落に下がって行くという、目の錯覚を強調する方法。舞台美術はルイジ・ペレゴで、久しぶりにシックで落ち着いた感じの立派な装置になっていた。

 指揮はコンスタンティン・トリンクスというドイツ生れの若手で、カールスルーエで大野和士のアシスタントだった由。初めて聴いたが、いい指揮者だ。
 リズムは歯切れよく、デュナーミクの設定も巧みで、何よりハーモニーの響かせ方に卓越したセンスがある。最弱音の創り方もなかなかのもの。遅いテンポの箇所に来ると例外なく緊迫感が薄れるという厄介な欠点(これは東京フィルにも責任があろうが)さえ克服できれば。

 歌手陣はタイトル・ロールにベテランのルチオ・ガッロが君臨、アンドレア・コンチェッティ(レポレッロ)、エレーナ・モシュク(ドンナ・アンナ)、アガ・ミコライ(ドンナ・エルヴィーラ)、ホアン・ホセ・ロペラ(ドン・オッターヴィオ)ら若手世代が気を吐いた。日本勢では、高橋薫子がツェルリーナで当り役ぶりを披露している。
 ルーティン公演としては、よくまとまったプロダクションという印象。

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