2024-03

2020・10・17(土)角田鋼亮指揮日本フィルハーモニー交響楽団

       横浜みなとみらいホール  5時

 これは横浜定期演奏会。角田鋼亮が客演指揮、辻彩奈がソリストに迎えられていた。
 最初に辻彩奈がソロでバッハの「シャコンヌ」(無伴奏パルティータ第2番終曲)を弾き、次にオーケストラとの協演でバッハの「ヴァイオリン協奏曲」の「第1番」と「第2番」を演奏。第2部は角田と日本フィルがブラームスの「第4交響曲」を演奏するというプログラムだった。コンサートマスターは扇谷泰朋。

 オーケストラの定期でありながら最初にソロ曲をおく━━それもステージ上にたった1人で立たせて演奏させるというのはかなりユニークなスタイルだが、これはその「シャコンヌ」が最後のブラームスの「第4交響曲」のフィナーレと呼応しているということを示す意図によるものだろう。どなたの発案か知らぬが、かなり凝った企画と言えよう。

 新鋭・辻彩奈の演奏は清らかな叙情感にあふれたもので、こういう屈託ない表情のバッハを演奏出来るのは若手の特権かもしれない。だが、この曲にはやはりもっと厳しい魔性のような力と陰翳の変化が欲しいところだ。そのあとの2曲のコンチェルトでの演奏にもある程度同じようなことが言えるのだが、ただこの場合は指揮者にも責任の一半はあるだろう。

 ブラームスの「4番」では、こちらの聴いた席(1階やや後方下手側寄り)にもよるのかもしれないが、ホルンと12型の弦とのバランスの悪さがまず気になった。第1楽章提示部あたりでは、ホルンがかなり強く浮き出して来るために、内声の動きの面白さという意味で聴いていたのだが、しかし、のちに4本のホルンが弦をマスクしてしまうようでは━━。
 概して金管とティンパニが弦を霞ませてしまうようなバランスだったと言っても言い過ぎではなかろう。

 それにしても日本フィル、今日は些か演奏が粗いし、音楽も乾いている。鬼将軍ラザレフと俊英の名将インキネンがいないと、またもや十数年前の日本フィルに戻ってしまうのではないかと危ぶまれる。

コメント

行こうかなと思ったコンサートでしたが、東条さんの評を見て、行かなくてよかったと思いました。
家でオイストラフのバッハとクレンペラーのブラ4を聴いていました。
でも、それでいいのかという思いもあります。
インキネンの母国のお隣のスウェーデンは今もコンサートは開かれず、ニューヨークフィルも来年6月まで活動停止というニュースに接すると、日本のクラシックファンである自分の身の振り方を考えてしまいます。
東条さんはお仕事ということでの割切りができるとは思いますが。

東条さんの、批評を読んで、当日のコンサート参加して、私は、感動した、とか。
良くなかった、とか、発言するのはいいと思いますが、「行かなくて良かった」という
発言は、いかがな、と個人的に、思いました。

生演奏が聴ける幸せ

外出して、ある程度人の集まる状況に身を置くことにこれほど神経を使う世の中があったでしょうか。思わず行かなくてよかった、と言ってしまいそうですね。先日半年以上ぶりに、新日本フィルを聴いた時は、生演奏の緊張感と、音に包み込まれるような感覚に身体が震えて、涙がでそうでした。今まで当たり前のように、なんの不自由もなく演奏会を楽しめることがこれほど幸せなことだったのかと感じています。

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