2024-03

2009・1・24(土)ラン・ラン・ピアノ・リサイタル

  サントリーホール 6時

 1時間前に終った菊池洋子のリサイタルの最後の曲目と偶然にも同じ「変ロ長調K.333」のソナタで、こちらラン・ランの演奏会は開始された。
 当然ながら全く違うスタイルゆえ、何か突然異なる世界に飛び込んだような思いに襲われる。どちらが良い悪いの問題ではないが、私の場合には、ラン・ランのしなやかで柔らかく甘く囁くようなモーツァルトを聴いていると、さっきの菊池洋子の端正で張り詰めた清冽なモーツァルトがたまらなく懐かしくなって来るのであった。

 しかし、ラン・ランはさすがに当代の腕達者である。続くシューマンの「幻想曲」で俄然な豪壮な演奏に転じたかと思うと、瞬時に沈潜して行く(この第1部はちょっと長かった)。
 後半のプログラムは、中国の5人の作曲家による5つの小品に始まり、グラナドスの「愛のことば」、リスト編曲によるワーグナーの「イゾルデの愛の死」、そしてリストの「ハンガリー狂詩曲第6番」と続く。ここで遺憾なく発揮されたのは、彼のヴィルトゥオーゾぶりだ。
 特に最後の曲のクライマックスで彼がピアノを縦横無尽に操る光景は、その昔の映画「カーネギーホール」でルービンシュタインが殆ど頭の高さまで両手を振り上げつつ大見得を切って「火祭りの踊り」を演奏した姿を連想させる。満席の聴衆が熱狂したのも、むべなるかな。

 もっとも私は、このあたりまで来ると、もはや彼の凄まじい演奏のエネルギーに、へとへとに疲れてしまっていた。間に1時間の空白があったとはいえ、延べ5時間以上、2人のピアニストの演奏を真剣に聴いて来たのだから。
 だがラン・ランの馬力たるや、物凄い。彼はこのリサイタルの2時間ほど前にも、もう一つ、同じくらいの量のあるリサイタルをこのホールで行なっていたのである。若さというものだろう。

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