2024-03

2021・9・12(火)石川県立音楽堂開館20周年
オーケストラ・アンサンブル金沢&仙台フィルハーモニー管弦楽団合同演奏会

      石川県立音楽堂コンサートホール  2時

 指揮が山田和樹(OEKと仙台フィルの元ミュージック・パートナー)および川瀬賢太郎(現OEK常任客演指揮者)。なお川瀬は、帰国できなくなった沖澤のどかに代わっての出演。案内役が池辺晉一郎(石川県立音楽堂洋楽監督)。

 周知のごとく、この音楽堂は北陸新幹線の金沢駅のすぐ目の前にある。これほど便利なことはない。ヤマカズ氏は、昨日の日フィルとの演奏が終ってすぐ5時何分かの新幹線に乗り、8時からリハーサルを始めたそうな。
 今日は音楽堂のホワイエに入ったら、臨時チケットカウンターに何と山田・川瀬の両マエストロがいて、みずから×××××という前代未聞のサプライズ光景に出会った。両マエストロとも賑やかな人だから、お客さんたちを明るい気分に誘ってくれる。もっとも、2人ともマスクをしていたので、気がつかなかった人も多かったようだが。

 音楽堂が開館したのは2001年9月12日。あの9・11同時多発テロの翌日とあって感慨深い。当時の岩城宏之・OEK音楽監督が直ちに追悼演奏を行なったのは流石の判断━━と、案内役を務める池辺晉一郎が述懐していた。
 そして一方、その10年後、2011年3月には東日本大震災があり、仙台フィルもその嵐をくぐったのだった。その仙台フィルが、今日のゲスト・オーケストラである。

 開館20周年記念行事とあって、演奏前に谷本正憲・石川県知事から、特別功労賞が前田利祐氏(OEK名誉アドバイザー)と木村かをり氏(岩城宏之夫人、OEK顧問)に、また知事感謝状が県内音楽関係7団体に贈呈される、というセレモニーがあった。

 知事の話は原稿から逸脱してなかなか面白く、音楽堂が岩城宏之氏の膝詰め談判により建設の運びになったこと、岩城氏から「オルガンなど不要」と指示されたにもかかわらず内緒で強引に設置したため、岩城氏が見に来たらオルガンをカーテンで隠そうなどと話し合ったこと、音楽堂のすぐ隣を北陸新幹線が時速260kmで通過するようになったら振動や雑音でやばいのではないかという危惧が囁かれた時には「金沢に停まらない新幹線などあり得ないから」と収めたこと、などが語られた。
 知事がこのように音楽に強く肩入れしてくれるような都市は、幸せというべきであろう。

 さて本番は━━山田和樹指揮の2オケ合同演奏でバルトークの「弦と打楽器とチェレスタのための音楽」、川瀬賢太郎指揮OEKでプロコフィエフの「古典交響曲」と、渡辺俊幸の「利家とまつ」メイン・テーマ、山田指揮仙台フィルで池辺晉一郎の「独眼竜政宗」メイン・テーマと武満徹の「波の盆」、川瀬指揮の合同演奏でサン=サーンスの「第3交響曲《オルガン》」のフィナーレ、という順で演奏が行われた。アンコールは2人の指揮で、聴衆のハミング・コーラスを交えて「夕焼け小焼け」。
 コンサートマスターはOEKが松井直、仙台フィルが神谷未穂。他にピアノ・ソロに木村かをり、オルガン・ソロに黒瀬恵が出演した。

 1曲目の「弦チェレ」における「2群のオケ」では、OEKをステージ下手側に、仙台フィルを上手側に位置させるといった趣向で、合同演奏の特色を打ち出していた。
 なおOEKのティンパニには相変わらず元気な菅原淳がいて、特に「弦チェレ」では味のあるソロで大活躍していたのは嬉しい。

 終演は5時近く。出口では土産として、「たろう」の小さい箱入りの紅白饅頭が配られていた。池辺普一郎が「サン=サーンスはフランスの作曲家。フランス語で《食べる》はマンジュと言う」と解説、大受けとなった。
 5時56分発の「かがやき」で引き返す。

※山田和樹は、2023年4月、バーミンガム市響首席指揮者兼アーティスティックアドヴァイザーに就任とのこと。めでたい。

コメント

やはり、いらっしゃったのですね。盛り沢山で内容の濃い、3時間近くのコンサートでした。石川県知事や前田のお殿様に岩城宏之夫人が登場した上、池辺先生の駄洒落付きの舞台回しなど賑々しく始まりました。弦チェレを左側の第一オケをOEK、右側の第二オケを仙台フィルにしたアイディアは面白く、オケの特色も聴き分けられた様な気がします。山田・川瀬両指揮者による合同オケの伴奏付きでのホール全員の「夕焼け小焼け」のハミングには思わずホロッとなりました。金沢と言う街は奥が深い、と改めて感じ入りました。

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