2024-03

2009・1・31(土)ベルナルト・ハイティンク指揮シカゴ交響楽団初日公演

   横浜みなとみらいホール

 日本でシカゴ響を首席指揮者ハイティンクとのコンビで聴けるのは、おそらく今回の一連の公演が最後の機会になるだろう。来年からは、ムーティが音楽監督になる。

 オーケストラのアンサンブルをバランスよく、壮麗な響きと温かい音色を以て組み立てることにおいては世界屈指の存在であるハイティンク。
 何年か前のザルツブルク・イースター音楽祭で、ベルリン・フィルがラトルの指揮でかなりがさついた音を出していた時、ある日客演で登場したハイティンクが指揮したベートーヴェンの「ミサ・ソレムニス」が、何とヒューマンな音楽に聞こえたことか。

 それゆえ今回のシカゴ響との演奏も、いたずらに咆哮する音楽ではなく、滋味と美しさに富むものになるだろうとは、もちろん予想されたこと。
 モーツァルトの「ジュピター」は、響きからしても伝統的なスタイルの演奏で、私の好みからは既に少々外れたところにあるが、その穏当な壮大さはやはり立派なものだ。
 一方、R・シュトラウスの「英雄の生涯」も同じように何ら作為的な仕掛けのない解釈だが、ここではさすがにオーケストラの卓越した輝きが見事である。演出的な誇張が無くても、それ自体のサウンドが充分にドラマティックな音楽を創り出してしまう。
 本当に優れたオーケストラは、叙情的な個所で雄弁さを発揮することが多い――「英雄の伴侶」後半での豊麗さ、全曲の終結近くでの安息の美しさ。

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