2024-03

2021・12・12(日)鈴木秀美指揮神戸市室内管弦楽団「メサイア」

      神戸文化ホール 中ホール  2時

 公共のホール多しと雖も、オーケストラと合唱団とを併せ有しているところは全国でもここだけ、と胸を張る神戸市民文化振興財団が主催したヘンデルの「メサイア」公演。中規模ホールながら、今回は完売満席とのこと。
 神戸市室内管弦楽団(音楽監督・鈴木秀美)と神戸市混声合唱団(音楽監督・佐藤正浩)が協演し、中江早希(S)、中嶋俊晴(CT)、櫻田亮(T)、氷見健一郎(Bs)がソリストに加わる。指揮は鈴木秀美。コンサートマスターは高木和弘。

 ここで神戸市室内管の演奏を聴くのは、私はこれが2度目になる。
 前回(9月25日)は、ホールの残響の少なさからオーケストラの響きに潤いが欠けることが気になったのだが、今回はそういう印象が一掃され、弦楽器群の響きが俄然瑞々しく聞こえるようになっていたのは嬉しい驚きであった。残響の無さが気になるのは、音がぱっと止んだ時だけで、曲が進むうちに、ホールのアコースティックのことなど、いつのまにか全く意識しなくなっていた。
 いや、これは自分の耳がそれに慣れたということよりも、指揮者とオーケストラがホールの響きを巧く克服できるようになって来たことや、演奏が極めて素晴らしかったということなどが原因であろうと思われる。

 鈴木秀美の音楽の「もって行き方」は実に巧く、この長大な作品を少しも弛緩させないというよさがある(欲を言えば、第2部冒頭のテンポを落した個所だけはヴァイオリン群に少々緊迫感が不足していたきらいもあったが)。「ハレルヤ・コーラス」も含め、ここぞという個所での昂揚感も目覚ましいものがあった。バロック・トランペットも輝かしい。

 コーラスは、数えるのを忘れたが、30人くらいか? オーケストラとのバランスも頗る良い。ソリスト陣の中で、氷見は私の初めて聴く歌手だったが、その安定したバスの歌唱には感心した。中嶋のカウンターテナーも安定していたし、櫻田は流石に練達というか、この響のないホールでも自らの声を巧く響かせる術を心得ているようである。中江は、いつもの冴えが感じられなかったが、もしかしたら今日のホールのコンディションでは歌い難かったのか?

 今回は字幕が使用されていたのがよかった。第1部の後に20分ほどの休憩時間を入れて、終演は5時 45分頃。

コメント

 恒例の合同公演のメサイアの拝聴は2回目だったのですが、前回よりも、オケ、合唱共に、より覇気と密度の濃さを感じさせる演奏で良かったです。
 これには、当然、マエストロ鈴木氏の敢闘精神溢れる音楽づくりが大きく寄与していたように思います。
 ただ、今回のコンサートに関しては、その一方、演奏以外のことも含め、3点ほど疑問が残りました。
 1つ目は、ソリストに関してです。鈴木氏の、良く知っていらっしゃる方々なのでしょうか、東京からお越しになっていたのですが、表面的には安定していたものの、個人的には、これといって音楽的に変哲が感じることができず、人によっては、発声もどうなのかな、と思われる方も、いました。
 前回の演奏では合唱団の方々が、少しずつ、ソロを歌うという、やり方だったのですが、この方が、面白かったですし、また、団員の方々の中には、各パート、ソロの経験者もいると思うので(実際に、お聴きした方もいます。)、この状況下では、敢えて東京から呼ぶ必要もなかったのでは、と思いました。
 2つ目は、エキストラの管楽器について。ある目立つパートだったのですが、ソロでかなりミスが目立ちました。しかし、終演後、マエストロからは、スタンディングの合図‥解せませんでした。客観的に、しっかりと演奏、お聴きになっていたでしょうか‥。
 3つ目は、年を越してから知ったのですが、終演後、件の「ツーショットおじさん」が終演後、またまた写真をねだり、一部の方々が、これに応じてしまったことです。
 私は、終演後、某オケの方々の室内楽を聴きに、大阪市中心部まで行ったのですが、この日の終演後はもう結構、すぐに暗かったし、それなりに寒かったと思います。言うまでもなく、こうした出待ちは禁止されているわけですが、この日の状況を考えると、いい年して、よくまあ、残っていたもんだと、もう、あきれるばかりです。
 1月中旬以降、残念ながら、また、中止、延期が増えてしまって、本当に残念なのですが、演奏家ならびに評論家(?)の方々に置かれましても、是非、このようなファンに関わらないよう、ご自重願いたいところです。

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