2024-03

2022・2・11(金)新国立劇場 ドニゼッティ:「愛の妙薬」

       新国立劇場オペラパレス  2時

 4回公演の今日は3日目。2010年4月にプレミエされたチェーザレ・リエヴィ演出のプロダクションで、4年ぶり、4度目の上演になる。

 今回の上演では、当初予定されていた主役の外国人勢が新型コロナ感染防止入国制限により全滅になったため、日本人歌手のみで歌われたが、これがなかなかいい。
 顔ぶれは、砂川涼子(アディーナ)、中井亮一(ネモリーノ)、大西宇宙(ベルコーレ)、久保田真澄(ドゥルカマーラ)、九嶋香奈枝(ジャンネッタ)という主役陣。

 特に光ったのが大西宇宙の切れのいい歌唱。この人は最近好調だ。中井亮一は、いかにも自信無げな男という前半の表現と、「妙薬」を飲んで俄然自信をつけた後との気分の変化を、歌唱でも巧みに表現していた。
 久保田真澄の「インチキ薬売り」は、もう少し滑稽な大芝居を試みてもいいのではないかと思われるフシもあったが、全体としては好演だろう。九嶋香奈枝は軽い役だし、文句ない。
 ただし問題は、ヒロインの砂川涼子だ。先日の「竹取物語」でもちょっと気になるところがあったが、今日は特に高音の強声が極度に硬くなる。こんなことは以前にはなかった。何か「合わない役」でも歌って咽喉を壊したとか? 自重されたい。

 指揮は、このところ日本での活躍がとみに多くなっているガエタノ・デスピノーザ。リズムの切れのいいところが好ましい。
 今回のオーケストラは東京交響楽団だったが、音は例のごとく薄いものの、引き締まってバランスのいい響きの演奏を聴かせてくれていた。

 舞台については、2010年4月23日2018年3月14日に観た際の日記に書いたので、ここでは詳しくは繰り返さない。ただ、前回の記憶があまり定かでないのだが、合唱団もソリストたちも、こんなに直立不動的な姿勢で、客席を向いたまま歌う舞台だったかしらん? これではまるでセミ・ステージ形式上演だ。
 そして、以前もそうだったが、折角カラフルな装置と衣装を揃えながら、舞台に「沸き立つ熱気」というものが皆無なのである。たとえば、音楽がパウゼになった瞬間に、舞台上に満ちる静まり返った空白感は何だろう? これは、再演演出担当者の責任もあるのではないか?

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