2024-03

2022・3・4(金)広上淳一指揮日本フィルハーモニー交響楽団

       サントリーホール  7時

 来日できなかったファンホ・メナの代わりに、広上淳一が指揮。
 彼は昨年9月から、日本フィルに「フレンド・オブ・JPO(芸術顧問)」という肩書で迎えられており、今回の定期がその就任以来初めての登場、ということになる。
 プログラムは、ラヴェルの「スペイン狂詩曲」と「ラ・ヴァルス」、それにラフマニノフの「交響曲第3番」という、一風変わった組み合わせ。

 ラヴェルの方は、この2曲が、互いに似たような「持って行き方」の楽曲構築になっていることを思えば、その選曲と配列は大いに意味があると言えるだろう。
 広上と日本フィルの演奏はかなりダイナミックで、ラヴェルにしてはあまりに豪壮雄大に過ぎる━━まあ、ありていに言えば、かなりドカンドカンとやる個所も多かったわけで━━のではないかという感もあったのだが、その強大な音の中にも色彩感が豊富に盛り込まれていたのは、さすが広上の手腕というべきだろう。またそれを具現した日本フィルも、昔の日本フィルとは格段の違い、ということになる。

 その豪壮な演奏の特徴は、ラフマニノフの「交響曲第3番」になると、見事に長所の形を取って現れた。この、少し乱雑な印象も拭えぬ不思議な(?)シンフォニーを、これだけ面白く聴かせてくれたのだから、満足しなくてはなるまい。
 欲を言えば、第1楽章の第2主題をチェロが歌いはじめる個所で、もう少し朗々とした音と、大きな気宇のようなものが欲しかったが、これは明日の、2回目の公演の時には改善されているだろう。

 ともあれ、ラフ・ファイター的な傾向の演奏ではあったが、しかし愉しかった。演奏終了の瞬間、コロナ蔓延下の時節柄禁断の(?)ブラヴォーがどこからか一声飛んでしまったのも、宜なるかなという感。
 今日のコンサートマスターは扇谷泰朋。

コメント

二日目

広上さんは一番注目している指揮者で、東條先生と同じ感想が多いのですが、今回は自分が二日目ということもあり、すこし違った感想です。プレトークでも「指揮者が力まないとオケがここまで鳴る(成る?)ものか」仰っていた通り、力強い演奏ですが、ラフ・ファイターな感じはしませんでした(大太鼓がやや硬くうるさかったですが)。ラフマニノフの大団円でも、音が濁らずポリフォニーがきれいに聞こえてきました。びっくりです。初日はそうではなかったのかもしれませんが、広上の円熟には目を見張りました。ラフマニノフの最初のソリの音色の混ぜ方も絶妙でした。こんな曲だったのかとの発見を新たにする演奏でした。あと、一楽章の第二テーマは二日目も朗々とはしていませんでしたが、それがかえって後ろ髪を引かれるような名残惜しさを強く表していました。そうすると三楽章の第二テーマが一楽章の第二テーマのエコーであることも今回はじめて気がつきました。今後の円熟が楽しみです。

連チャン

初日のラベル、出だしの美しさから驚嘆、何時聴いたかも忘れていたラフマ3番も実に面白く、これは行かずばなるまいと二日目も聴きました。ワルツらしからぬラ・ヴァルスは二日目が多少ベター? ラフマも二日目はより魅力的で、特に二楽章の弦、木管の美しさに聴きほれた事でした。楽員の自発性を充分に引き出した広上さんと、終始豊かで上質な音楽を作りだした楽員に拍手!

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