2024-03

2022・3・6(日)びわ湖ホールのワーグナー:「パルジファル」2日目

      びわ湖ホール  1時

 中2日で、同一配役と演奏により行なわれた第2回上演。
 だが流石に2回目の本番とあって演奏者も慣れたのか、そしてまた最終公演とあっての張りきりゆえか、京都市交響楽団の演奏も密度をいっそう高め、歌手陣もパワー全開の趣があって、前回よりもさらに聴き応えのある充実した演奏となっていた。

 特にパルジファル役の福井敬の、第2幕後半での苦悩と激怒を表現する歌唱は、緊迫感に満ちて素晴らしいものがあった。クンドリ役の田崎尚美も、聴かせどころの第2幕では前回同様の絶唱、もしくは前回を上回る表現の幅で、聴衆を圧倒した(この人には、くれぐれも声を大切にして、池田カオリンとともに「日本のブリュンヒルデ」として長く活躍していただきたい)。

 グルネマンツ役の斉木健詞、ティトゥレル役の妻屋秀和、クリングゾル役の友清崇、アムフォルタス役の青山貴ら、他の主役陣もすべて快演だったが、特に後2者はいずれも歌唱表現のニュアンスを前回よりも豊かにしていたように感じられた。そしてびわ湖ホール声楽アンサンブルの合唱も、前回より遥かに充実していた。

 これらすべてをまとめ、しかも今回は劇的な起伏をいっそう増した感のあった沼尻竜典の指揮をも讃えたい。大詰めの場面での盛り上がりという点では、私の主観では未だ「泣き」が足りないようにも感じられるのだが、マエストロ沼尻としては、ここを所謂ワグネリアン的な「法悦」の境地とするより、むしろ「平和の祈り」と解釈しているのかもしれない。
 ともあれ、今回の「パルジファル」の演奏は、昨年の「ローエングリン」を遥かに凌ぐ水準に達して、びわ湖ホールのワーグナー・シリーズの一環を飾るものとなったことは間違いないであろう。

 沼尻竜典芸術監督の任期はもう1年延長され、来年は「ニュルンベルクのマイスタージンガー」が上演される。彼によるびわ湖ホールのワーグナーの「スタンダード・レパートリー10作品上演」が、それで完結することになる。

コメント

コメントの投稿


管理者にだけ表示を許可する

«  | HOME |  »

























Since Sep.13.2007
今日までの訪問者数

ブログ内検索

最近の記事

Category

プロフィール

リンク

News   

・雑誌「モーストリー・クラシック」に「東条碩夫の音楽巡礼記」
連載中