2024-03

2022・3・9(水)諏訪内晶子の国際音楽祭NIPPON 室内楽プロジェクト

      紀尾井ホール  7時

 3月11日との2回に及ぶ「室内楽プロジェクト」の第1回、諏訪内晶子を中心に、ヴァイオリンのマーク・ゴトーニ、ヴィオラの鈴木康浩、チェロの辻本玲、ピアノの阪田知樹が協演する演奏会。

 モーツァルトの「ヴァイオリンとヴィオラのための二重奏曲ト長調K.423」に始まり、ファニー・メンデルスゾーンの「弦楽四重奏曲変ホ長調」と、クララ・シューマンの(ヴァイオリンとピアノのための)「3つのロマンスOp.22」が演奏され、休憩後にはフランクの「ピアノ五重奏曲ヘ短調」が演奏された。

 この中での圧巻は、やはりフランクの五重奏曲であったろう。
 曲頭、圧倒的力感で迫る弦楽器群と、控えめに応えるピアノとの対話部分から既に尋常ならざる緊迫感が漂っていたが、間もなくピアノが弦楽器群を上回る強靭な発言を始めるや、音楽には劇的な豪壮さが漲り始めた。フランク特有の分厚い音の世界が、今日は恐るべきスケール感を以って轟く。
 この作曲家が裡に秘めた気魄と意志力を余すところなく表面に浮き立たせた稀有な演奏と言えたかもしれない。名手たちによる一期一会の演奏に燃え上がったフランクの音楽だった。

コメント

仕事の忙しさがやや落ち着いてきて、6~7週間ぶりにホールへ。フランクの五重奏曲は脳内にこびりつき帰宅後反芻して不眠になるほどの濃い演奏でした。当然諏訪内さんとゴトーニさんは派手にたっぷり歌うのだろうと予想していたのですが、ピアノの阪田知樹さん、ヴィオラの鈴木康浩さん(読響)、チェロの辻本玲さん(N響)の3人の存在感があっての名演でした。繊細なヴィオラと朗々と鳴るチェロ、そして、若いのに、局面をみて司令塔的役割を果たす怜悧なピアノ。フランス的なものともヴィルトゥオーゾ的なものとも違う前衛性すら感じさせる斬新な響き。手持ちのCDや音楽配信でいくつかの録音を聴いてみましたが、あれは独特のものでした。NHK・FMで、音だけ放送予定という張り紙があったので、放送されるか不明ですが、楽しみにしたいと思います。ファニーとクララの作品は退屈だが、演奏が質を高めていた。日本の楽壇のレベル向上を知る機会でNIPPONと銘打っただけの価値はある。確か2年前の2月に開かれる予定だった演奏会でした。残念ながら諏訪内さんのブラームスの協奏曲は行けず、痛恨です。ブラームス室内楽は全部は無理ですが、邪魔が入らない限り、初台に足を運びたいと思います。

コメントの投稿


管理者にだけ表示を許可する

«  | HOME |  »

























Since Sep.13.2007
今日までの訪問者数

ブログ内検索

最近の記事

Category

プロフィール

リンク

News   

・雑誌「モーストリー・クラシック」に「東条碩夫の音楽巡礼記」
連載中