2024-03

2022・3・27(日)アラン・ギルバート指揮東京都交響楽団

      サントリーホール  2時

 首席客演指揮者アラン・ギルバートが登場した「都響スペシャル」。メインはブルックナーの「第7交響曲」(ノーヴァク版)。そして第1部にはアンナ・ソルヴァルドスドッティルという女性作曲家の「メタコスモス」という曲が演奏されたが、これは昨日の定期での演奏が日本初演になっている。

 このThorvaldsdottirという超難しい名前の人のMetacosmosなる演奏時間15分弱の作品は、2017年にニューヨーク・フィルの委嘱で作曲されたものの由。初演は2018年4月にサロネン指揮ニューヨーク・フィルにより行われたが、ギルバートも2019年1月にベルリン・フィルを指揮してヨーロッパ初演を行なっているそうである。
 重低音に基盤を置いた暗鬱で物々しい響きに満たされ、時に鋭い閃光のようにはじけるアクセントが聴く者に衝撃をもたらす。作曲者の解説文に「ブラックホール、すなわち未知の世界へと落ちて行く」というキーワードがあるが、この言葉だけでもひとつのイメージを掴む縁となるだろう。

 ブルックナーの「7番」は、遅めの重々しいテンポが採られた第1楽章をはじめ、全体に仁王の如き力感に溢れる演奏となっていた。最強奏の個所での音量の巨大さは、都響としては珍しいほどのものだろう。
 ブルックナーの最も叙情的な交響曲から大建築のような豪壮さを引き出そうとする、その試み自体は悪くないのだが、その最強奏での咆哮が、どうも音が鋭すぎて、美しくないのが困る。そしてまた、全体にのべつ咆哮しているといった印象を与えるので、肝心のクライマックスが目立たなくなってしまう、という結果が生じるのだ。以前に都響を指揮したマーラーの「6番」でもこういう特徴が聴かれていた。ギルバートの癖が治っていないな、という感。

 コンサートマスターは矢部達哉。

コメント

カリフォルニアロール

小生はお気に入りのRAブロックからの初ギルバート体験でした。東条先生を遠くからお見掛けして、感想を楽しみにしていました。今回は概ね同じ感想です。もう少し大きいホールだと違うのかもしれませんが・・・あとは、小生はブルックナーの初体験からしばらくずっと、朝比奈先生で刷り込まれているので、一楽章の第一テーマからして、どうしても違和感がぬぐえませんでした。それは、先日の山田和樹の英雄でも同じでした。時代が違うと言ってしまえばそれまでですが、今回のブルックナーは上等なカリフォルニアロールを食べたような感想を抱きました。

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